58. 2017年11月16日 クマ猟
 11月15日は、秋田県の狩猟解禁日。写真家の加藤明見さんに同行してクマ猟の取材に行ってきました。朝、山に入ると、何人かのハンター達がライフルを肩にかけ、無線で情報交換をしており、山全体が緊張感に包まれていました。その緊張感がクマにも伝わっているのか、糞や足跡はそこらじゅうにあるものの、クマたちも警戒して全く姿を現しません。結局この日、銃声を聞くことはありませんでした。
 雨も降ってきて、ハンター達も帰り始めた頃、その気配を察知して必ずクマは動き出すという加藤さんの言葉通り、日没ギリギリのところで一頭のオスグマを発見。距離にして100m弱。はっきりと姿が見えたわけではなく、生い茂る笹の間をゆっくり移動する黒い物体という感じでした。ハンターだったら、即引き金を引いて終わりなのですが、カメラマンの加藤さんは、そのクマが笹原を抜けて体全体が現れるまで、根気強く、クマの移動するスピードに合わせ、気づかれないように移動し、シャッターチャンスを狙わなければならず、ハンターよりよっぽど大変だとおっしゃっていたのが印象的でした。
(M)