7.2015年12月8日 第二倉庫の住人
 千秋北の丸にある無明舎の第二倉庫には、一年程前から住人がいる。第二倉庫は事務所から少し離れているため、あまり頻繁には行かない。せいぜい一週間に一度行く程度だ。扉をあけると、カタカタカタと音がする。用事を済ませ、静かになった倉庫内に息を潜めていると、また、カタカタカタっと音がする。正体はネズミだ。どこから入ってきたのか、気づいたのは一年程前のことだ。もしかしたら、もっと前からいたのかもしれない。本をかじられたりなどの直接的な被害は無かったので、そのまま放っておいた。姿をみたことはない。だから、ネズミらしきものがいるという認識だった。それが先日、倉庫に行った際、扉を開けると、足元に、まるまると太ったネズミの死骸が転がっていた。特に外傷も無かったので、寿命か、寒さのため死んだのだろう。その辺に放っておくのも可哀想だったので、簡単な墓を作り埋葬した。電気も窓もなく、日も当たらず、人の出入りも少ない倉庫はこのネズミにとって格好の住処だったのだろう。このような形で初対面になるとは。
 しかし、一体どこから出入りしていたのだろうか。内側も外側もくまなく調べてみたが、それらしきところは見つからなかった。
(M)