98. 2019年11月28日  古書店
 地元紙に、北秋田市、阿仁駅前に「阿仁合の本やさん」という古書店がオープンしたという記事がでていた。潰れたガソリンスタンドをクラウドファンディングで集めた費用で改修したそうだ。阿仁地区では10年前に書店がなくなっているらしく、地元住民は喜んでいるとのことだった。本は全て地元住民からの寄贈で、販売のほか、貸出しもしているらしい。店主がおすすめの本を手に持っている写真も掲載されていたのだが、よく見るとその本は20年前に小舎からでた『阿仁川流域の郷土料理』と『阿仁川流域の手仕事』という本。この2冊は非売品で流通していないため、地元住民が寄贈したものだろう。こういう貴重な本が集まってくるというのも、地域に密着した本屋ということなのだろうか。
 秋田市内でも、昔からやっている古書店はついに1店舗だけという状況になった。しかし、出版不況真っ只中でこうした阿仁の本屋さんのような新しい小さな古書店がポツポツとでき始めている。こういった流れは全国的なものなのだろう。単に流行り廃りのものなのか、それとも、出版業界とは全く関係のない別のムーブメントになっていくのか、とても興味深いところだ。
(M)