No.73
山形の夏休み、御浜小屋と鶴間池
[鶴間池・鳥海山御浜小屋(山形県遊佐町)――2014年6月25日〜27日]
 恒例の夏休み。山形庄内地方のアウトドア散策の定番コースだ。
 初日は遊佐町にある「しらい自然館」を拠点に鶴間池の散策だ。「しらい自然館」は天井が高く、開放感があって、木材の香りがプンプンする交流体験型宿泊施設だ。近くの小学生たちの林間学校も利用されていて、アウトドア施設としてはすぐれものの。毎年泊まっているのだが大好きな施設だ。なんだかアウトドア・ライフが暮らしの中に定着しているヨーロッパの国々にいるような居心地の良さ(行ったことはないのだが)。なぜ、秋田にはこうした清潔感のある木造の交流施設が少ないんだろう。
 今回のメンバーは関西から来た2名の女性に地元の自然カメラマンSさん、それに私の4人だ。これもだいたい決まりのメンバーで、この時期に顔を合わせるメンバーだ。鶴間池に行く途中、八丁トンボの生育地に寄った。1日は長い。いろんなところに寄り道するのも庄内の夏休みの特徴だ。1円玉の直径より小さい赤いきれいなトンボたちをたっぷりと観察、一杯写真も撮ったが、あまりに小さくてよく写っていなかった。
 雲ひとつない好天の中、鬱蒼とした森の中を、ゆっくり神秘の湖をめざして下りていく。鶴間池の登山口は標高900メートル台にある。そこから標高800m地点にある鶴間池まで下っていくコースだ。行きはよいよい、帰りは恐い、というコースなのである。かなり深く山中を降下していくので、いたるところでクマの気配も濃厚になる。このあたりでは標高700mの周辺がクマの散歩道なのだそうだ。だから、ひとりではとても行けない場所だ。
 この日も鶴間池の小屋付近には写真撮影中の老人が一人だけしかいなかった。そこでランチをとり、昼食後はさらに森に深く分け入り、奥鶴間まで足をのばした。モリアオガエルの生育池を見るためだ。気に垂れさがった卵は見かけたが、オタマジャクシを見つけることは出来なかった。卵の下にはイモリがうようよ、落ちてきたオタマジャクシを片っ端から食べてしまう。

鶴間池で。左の人が行方不明に

御田ケ原にて
 夏休み2日目は鳥海山・御浜小屋登山。今日もまた好天に恵まれルンルンの山行になった。今回は事前の山行計画が明らかにされていなかったので、ハイキングのつもりで装備は最小限のものしか持ってこなかった。車ではなく列車に乗って山形まで来たので、軽登山靴にストックも1本のみ。ザックもハイキング用の小さなもの。でもそれが逆によかったみたいで、なんだかいつもよりも身が軽い。まるで走るように快調に御浜小屋まで登り、お花畑のある御田ヶ原まで一気に駆け上った。靴やザックの軽さが、こんなにも体調に影響を与えるのか。
 気になるのは昨日、鶴間池で会った老人が行方不明になり、現在捜索中とのニュースがあったこと。登り(帰り)で道に迷ったのだろうか、心配だ。人生の一瞬をすれ違って、一言二言会話しただけの人だが、袖ふりあうも多生の縁。無事でいてほしい。鶴間池でうつした写真には、この遭難者の顔がはっきり写っていた(2日後、この人は奥鶴間で道に迷い、かつ捻挫して遭難。ヘリで救出された)。
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 温泉は遊佐町にある「あぽん」。ここも定番だが洗い場が狭く、秋田とまるで隣との密度が違う。どうやって身体を洗っても、隣の人の体に触れてしまう距離しかない。きわめて不快な気分になること請け合いの温泉でもある。でも山形の人は何とも思っていないようだ。
 酒田市に帰って打ち上げは、これも定番の市内の中華料理「香雅」。みんなここの料理が大好きだ。1年に一回の庄内夏休みも終了。また、来年元気で会いましょうと、お別れ。3日目最終日は、これも大好きな酒田のリッチ&ガーデン宿泊。明日の野菜バイキングの朝食が楽しみだ。

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