vol.17 12月16日号
好きなカレンダー
 今年もいろんなところからカレンダーをいただく時期になってしまった。10ぐらいはもらうのだが、申しわけないがそのほとんどはくず箱入りである。誰だって自分の部屋や身の回りにはセンスのいい気に入ったカレンダーを飾りたい。なにせ喜怒哀楽の1年間をともにする「同志」のようなものだからだ。だから、カレンダーだけは東京に行ったとき三省堂書店で少々高くても気に入ったものを選んで買ってくるのが習慣になっている。今年は定番のクレーとミロの絵描きものとアウトドア・イラストレーター村上康成のものに決め、買ってきた。これまで最高のカレンダーは、3年ほど前、日比野克彦の手書き風のもので、これはあまりよくて捨てるに忍びずちゃんととってある。しかし、日比野のものはどうもあの1年のみ限定らしく、どこを探しても売っていない。
 去年から届くようになったお茶の水「山の上ホテル」のカレンダーもすばらしい。このホテルには毎月泊まっているのだが、10年目にしてはじめて常連として認めてもらえたのか、カレンダーは今年もきた。うれしい。

(あ)

【今年買ってきたカレンダーの数々】

【「山の上ホテル」のカレンダー】

下水道工事よ、早く終わって!
 もう1ヶ月以上前から、事務所の前の下水道工事が場所をちょっとずつ移動しながらつづいている。うちは前から水洗だったのだが、汲み取りの家も近所にはまだかなりあるようで、懐かしの黄金車をときどきみかける。秋田の下水道普及はかなり遅れていて、まだ30パーセントにも満たない。今回、工事のために負担金として10万円近くの金を取られて、インフラというのは犠牲も大きいが、やっぱり大切なことを実感する。それにしても工事であることを忘れていつもの門を曲がって「あ、工事中でここからは事務所に帰れないんだ」と同じ間違いを何度も繰り返すのには我ながらあきれた。工事の場所が移動しているので、その都度封鎖される小路も変わるから間違うのもしょうがないのだが。事務所の裏側の高速道に通じる道路では1週間に1ペン、警察による「ネズミ取り」が行われていて、毎日ここを通るたびにシートベルトを締め直したりしてしまう。どちらも早く終わってほしい。
(あ)

【事務所前の工事現場】

そろそろ今年も店じまい
 年賀状は出しませんが、「挨拶文」のようなものは書き終わりました。忘年会の日程も決まり、お正月休みの段取りもできたので、後はいつ年末年始が来ても大丈夫なのですが、個人のスケジュールはまったく決まっていません。お正月やお盆の長い休みになると、決まって帰省客があり、最近は奥さんの実家に帰ってきたので寄らせてもらいました、という知らない同業者の方も多くなり、この期間はほとんど事務所にいて彼らの応対をして過ごす日々が続いてしまう。それを避けるためにどこかへ行ってしまうのも手だが、お正月中は店も休みで人を訪ねることもできず、結局は家にいてお客さんのお相手をすることになる。いっそのこと外国へでもとも思うのだが……。
(あ)

パソコンが怖い?
 パソコンについてはワード・エクセル・アクセスの基本操作しか知らなかったのですが、入舎後、スキャナで画像を取り込んだり、文字認識ソフトを使用したり、結構複雑な操作をこなさなければならなくなりました。今まで、スキャナはデザイナーなどのプロが使うものだと思い込んでいて、自分が使うことになるとは予想もしていませんでした。
 初めの頃は思うように出来なくて、何度もやり直していたのですが、最近はコツをつかんできて短時間で処理できるようになりました。もちろん、まだ使いこなすというほどではありませんが、少しずつ応用も利くようになってきました。
怖がらずに、もっといろんな「技」を覚えていきたいと思っています。

(富)

週刊あんばい一本勝負 No.15
田中秀嗣
ちゃらんぽらん男、
居酒屋をつくる

(新潮OH!文庫)

 本の種類の中でもっともよく読むジャンルはノンフィクションの実録もである。それもほとんどふつうの庶民が主人公のやつに一番興味を引かれる。晶文社の本をよく読むのはここの編集方針が、有名作家でない素人に書かせたノンフィクッションを出すという姿勢を強く打ち出しているからだ。花屋さんや本屋さん、建築家や農民の生活雑記、渋い俳優のエッセイなど、読みたいし自分の出版社でも出したい 本を晶文社は出してくれる(最近ちょっと変わってきたようですが)。ところが最近創刊されたこの「新潮OH!文庫」のラインナップは小生の好みにぴったりの実録庶民派ノンフィクションの宝庫なのである。晶文社よりもぐっと砕けて、それでいて過激で猥雑なところもとてもいい。創刊記念の50点のうち、すでに読んでいたものが7点、15点を買った。この文庫は期待できそうである。あ、肝心の本書だが、この手のお店のマスター独特のあくの強さが(日本酒にうるささそうな臭みというか)まったくなく、さらりとした読後感で好感が持てる。奥さんをうまく引き立て役に持ってきたのがきいているのかもしれない

TopPageへ