vol.18 12月23日号
東京・仙台への出張
 今週は月曜日から金曜日まで東京・仙台出張である。丸々一週間、初めから終わりまでという出張はありそうでない。東京では地方・小出版流通センターの忘年会に出席。病みあがりの川上社長が早くもビールを飲んでいたのには驚いた。大丈夫なの?
 翌日は小舎で仕事をしたいという若者と会って「やめたほうがいい」と説得し、夜は『嘉永五年東北』の著者と深夜まで痛飲。
 三日目は昼に外で食事をし、後は御茶の水のホテルにこもって印刷所から届いた「付き物」の校正で思わぬミスを発見する。一滴も酒を飲まない出張の一日というのもいいものだ。
 四日目は仙台に移動。やはり『山に暮らす海に生きる』の著者、結城登美雄氏と夕方4時から深夜1時までお付き合い。その間 ほとんど話しっぱなしで食べ物を口に入れず。さすがにグッタリ。
 五日目、駅前の「半だや」で食事をとり秋田へ帰る。仙台は疲れて、もう一人会う予定の著者がいたのだが約束をすっぽかしてしまった。

(あ)

そば屋はいいネ
 吉祥寺にあるそば屋「砂場」で昼からいい気持ちで酔っ払ってしまった。ここの若い店主は湯沢市にある「若竹」主人の後輩(室町砂場)で、奥さんが小舎の著者である織田久(太田欣三)氏の娘さんである。前日、お父さんと打合せと称して痛飲したこともあり、久々に一人でしんみりと吉祥寺まで出掛けたわけだが、こうした「男の隠れ家」がいたるところにある東京という都市がうらやましい。
 その日の深夜、突然その「砂場」からホテルに連絡があった。黒テントの斉藤晴彦さんからだった。吉祥寺は斉藤さんの住家のあるところで、「砂場」は斉藤さん行きつけの店なのである。斉藤さんにいろいろと電話で励まされて、うれしい一夜だった。

(あ)

カバンの話
 イスも好きだがカバンも好きである。しかし、イスは一生ものと割り切って高いものも買うが、カバンは実用一点ばり「安物買いの銭失い」である。もうこの年になれば、ほとんどショッピングの欲望なぞ消えて一日中デパートにいても欲しいものは何もないという寂しい中年男なのだが、街角でいいバックを見つけると(安ければだが)ほとんど買ってしまう。今回も3ヵ月前に買った黒いノートパソコン大のショルダーが思いのほか調法しているので神保町のすずらん通りの小さなカバン屋でトルコ製の皮ショルダーバックを衝動買い。ちなみに黒いほうは2万4千円、白は1万9千円。以前に比べると少しは「安物」を避ける傾向にはある。
(あ)

【今年買ったカバン】

冬至のカメラマン
 夏から秋にかけオールカラー本の撮影取材が10冊近く集中し、小阪、佐藤カメラマンのほか私も撮影に走り回りました。しかし、今年の秋は例年になく天気が悪く、太陽が顔を見せたのは1週間に1〜2日ほど。そのうえ秋の日は釣瓶落し、というように日の暮れるのが早く厳しい毎日でした。
 今日は12月21日、冬至です。今日を境に日照時間はだんだん長くなってくれますので、カメラマンはどんなにこの日を待っていたことでしょうか。これから冬を越さなければならないのですが、春が見えてきたような気がして、ワクワクしてきます。

(鐙)

図書館で仕事をする
 今日は朝9時から夕方まで、秋田県立図書館の机を借りて資料のまとめ作業をしていました。秋田県立図書館を利用するのは今回で3回目なので、まだ勝手がわからずうろうろしてしまいました。いろんな図書館を利用してきましたが、どこにも必ず、一度に借りられる冊数が少なかったり、本が探しづらかったり、そういった不満が1館に1つはあります。秋田県立図書館は今後頻繁に利用することになると思うので、早くその欠点と長所を見極めて、うまく利用できるようになりたいと思います。
(富)

週刊あんばい一本勝負 No.16
村上龍(文芸春秋)
希望の国のエクソダス

 この人の本はほとんど読んだことがない。何となくタイトルを見ただけで「自分と縁のない世界を過激に描いているんだろうな」というおっくうさというか食わず嫌いのところがあったのだが、過日、『テニスボーイの憂鬱』という小説を読んで、まったく印象が代わってしまった。この小説は抜群におもしろかった。バブルの時の土地成金の息子を主人公にこんなセンスのいいお話を書けるというのはやはりただものではない。と見直したのである。しかし、かといって「コインロッカー」とか「みそスープ」とか「トパーズ」といった横文字の入った本を読むのにはまだ抵抗がある。
 本書は、なぜこの作家が中学生の反乱といったテーマに興味を持ったのか、に興味を持って読み出したのだが、「金融」や「経済」「ネット社会の未来」のことを書きたくて、そのつまみとして意外性のある中学生を主人公に持ってきた、と考えると納得できる。彼の小説はおもしろい。その一方でNHK出版からSM穣と共著のくだらない往復書簡集を出したりするので、よくわからない作家なのだが、家庭では良き父親なのだそうだ。

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