北羽南朝の残照[品切れ]
四六判・358頁 定価2000円+税 冊数
   まえがき 8

第一章 検証・北羽の南北朝史
  一、南北朝前史
     軽視される南北朝時代 12
     秋田は南北朝無風地か 16
     動乱の背景に天皇家の事情 19
     倒幕の陰に制度疲労 24
     後醍醐天皇と曹洞宗 29
  二、南北朝抗争の実態
     幕府が新天皇をつくり出す 35
     倒幕決定づけた尊氏の寝返り 38
     性急な所領政策や大内裏計画 40
     争乱の裏に一族の利害対立 43
     尊氏追討に由利・鳥海氏 46
     尊氏が仕組んだ天皇家分裂 50
     北畠顕信、奥羽に登場 52
     南朝を復活させた幕府内対立 55
  三、顕信の活躍と北羽の抗争
     小鹿島騒動の意味するもの 59
     社領寄進はプロパガンダ 62
     北羽に曹洞宗寺院が進出 67
     北羽の南朝聖域論も 69

第二章 万里小路藤房は秋田に来た
  一、カギにぎる月泉良印
     補陀寺の二つのナゾ 80
     真澄の無等観は正しいか 85
     否定すべき無等の没年 92
     終焉の地決める正法寺文書 97
  二、無等と藤房の実像と虚像
     可信性高い正法寺文書 103
     重要な無等の在世年代 106
     朝廷の硬骨漢・藤房 110
     失踪後の藤房の行状 113
     月泉との出会いは正続寺か 117
  三、藤房は授翁・無等にあらず
     授翁宗弼のナゾ 122
     ナゾ多い禅師号の綸旨 126
     違い過ぎる藤房と無等の年代 134
  四、月泉の行状に藤房の影
     言霊信仰の落とし穴 138
     なぜ藤房は法嗣にならないか 142
     補陀寺はやはり比内開創 146
     不可解な真澄の記述 150
     矢立廃寺は藤原氏建立か 156
  五、藤房は二祖的存在
     補陀寺移転に藤房関与 161
     正平年号に藤房の影 166
     秋田・山内は南朝圏? 168
     塔頭はなぜ建てられたか 171
     「宝篋印塔」が意味するもの 177
     無等と正応寺の関係 182
     秋田までの藤房の足取り 185
     伝承は二祖と二世の混同か? 189

第三章 陵森は南朝皇子陵か
  一、平安時代と陵森の関係
     巨石に王墓大地蔵尊 198
     小字地名に歴史的名辞 202
     陵森は貴人の墓所 207
     貴人は皇子の可能性 210
     地元伝承・推論に論理的矛盾 213
  二、鎌倉時代の由利の状況
     待居館より栗山館が重要 216
     由利氏から大弐局に 218
     由利氏と鳥海氏争う 222
     見えない鎌倉期との接点 225
  三、鳥海氏と南朝伝承
     御所に連動する地名 228
     御所と護良親王伝説 231

     南北朝期の仁賀保の状況 233
     鳥海氏と建徳寺 236
     南朝勢力示す菊水紋茶釜 239
     栗山館がもつ意義 241
  四、集中する南朝側の情報
     方々に奉じられた南朝親王 245
     信濃から南朝勢の移入 247
     南朝勢とかかわる由利十二頭 249
     知られざる南朝皇族陵 254

第四章 楠伝承の光と影
  一、楠伝承のあらまし
     伝承の歴史的意義 260
     正史と伝承の楠木一族 261
     可信性欠く「親川系譜」 265
     由利の主な楠伝承 268
     西仙北町の伝承 277
  二、多様な系図の検証
     内容異なる二つの系図 282
     楠・由利氏合体説の信憑性 289
     打越氏は十二頭に非ず? 292
     脈絡つかない各系図 295
  三、カギにぎる打越旧記
     由利十二頭筆頭に楠氏 301
     なぜ楠氏に所領明記ないのか 305
     旧記から見た由利の所領 307
     やはり打越氏は楠氏系 310
  四、仮説・楠伝承の真実
     楠正家は傍系の可能性 316
     正家はまず打越城に入った 318
     元弘寺は由利宣撫の所産 322
     正家、由利を後にす 325
     打越城から正宣が由利入り 327
     奇妙な符合・五か寺開創 331
     楠伝承と由利十二頭 337

終 章 南朝余録
     菊水紋余聞 346
     後南朝が示唆するもの 349
     南朝圏たり得た要件 353

   あとがき 357


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