第一章 阿仁に生まれて 安成貞雄逝く──その死を悼む人びと 1 父正治、その出自と人となり 5 乃木希典と若き日の安成正治 6 揺籃の地 阿仁銅山 13 古河経営で解雇──惨たる東京往還 16 東雲製煉所──渡船で通学 17 第二の故郷能代──渟城小と小原日時計 19 第二章 県立大館中学校第一期生 年少夢は海賊、渾名は弁慶 25 寮で起居──風貌とはそぐわぬ「風紀係」 27 「予は如何にして揚足取となりしか」 29 西館初代校長とその排斥運動 31 兄弟の詩文は全校に聳つ 35 同盟休校首謀で停学処分 38 恩師青柳有美との出会い 40 第三章 蕗薹と鬼蔦─文学的出発は俳句 初号は魯智深、斎藤蕗葉の掖誘 45 師島田五空と『俳星』 48 校内に句結社星秋会を主宰 52 一人歌仙を巻く──早熟の中学四年生 59 第四章 早稲田大学そして社会主義へ 中学の卒業成績は十番 65 二郎、三郎は中学中退 68 紅露夢み早稲田進学 72 早稲田社会学会──社会主義の洗礼 75 『火鞭』──処女作発表の舞台 79 秀湖の『黄昏』──学苑の若き群像 86 二郎の上京、やがて一家も 88 二郎と魯庵と金尾文淵堂 90 回覧雑誌『北斗』と『新聲』編集 97 馬場孤蝶の講筵に参ず 102 平民社──荒畑寒村との出会い 106 第五章 欧米の文芸思潮・科学文化の紹介 わが国初の週刊誌『サンデー』 113 オブローモフに魅せられて 117 『新聲』『趣味』での仕事 120 『早稲田文学』その他 122 万朝報と懸賞小説 126 大逆事件の陰で 132 第六章 女と酒と野依秀市と 遊蕩三昧── 阿部幹三と和気律次郎 139 実業之世界入社 144 取材先秋田での流連荒亡 147 遊蕩にも理論──女性関係は純情 150 不見転芸者沢子との一件 155 有美の歪曲と「沢子一件」の真相 159 第七章 貞雄の先駆的業績の数々 科学的経営管理法の紹介 167 やまと新聞でも英文翻訳 168 泰西文芸映画の興行 172 アルセーヌ・ルパンの日本紹介 174 『金髪美人』と『春日燈籠』 178 芸術座の名付け 180 社論と容れず──やまと退社 182 第八章 江湖に浪吟す─文壇のアウトサイダー 安成貞雄と『近代思想』 187 木村鷹太郎の古代史論を痛罵 191 安成二郎と『近代思想』 193 近代思想社小集 195 『生活と芸術』──文壇論争の萌芽 200 『生活と芸術』の位置と彼らの小集 207 売文社と『へちまの花』 210 『文壇与太話』──生涯唯一の著書 215 中沢臨川の剽窃を暴く 220 文壇の与太大王 222 「高等幇間志願の辞」と原稿鑑定業 224 誤訳指摘──本間久雄『芸術の起源』など 229 「遊蕩文学撲滅」可・不可能論争 234 第九章 大正文壇を縦横無尽に 多分野で諸雑誌に執筆 245 シリーズ《欧米文明進歩の跡》 250 貧困生活──くらの小坂逃避 254 馬場孤蝶の立候補と『現代文集』 257 相馬御風を退隠に追込む 261 新渡戸博士の『武士道』批判 268 『女の世界』『世の中』の創刊 272 文学村の与太的三奇人 277 |
幻の『探偵雑誌』 279 |