はじめに 第1章 成立期の久保田 第1節 佐竹氏の入国と城下町づくり 近世の新たな動き 佐竹氏の転封 家臣団を町場へ 城下町の建設にとりかかる 城下町の立地条件 「一国一城令」と久保田 第2節 「専制君主」佐竹義宣の横顔 「律儀の人」義宣 義宣と出頭人 領主としての義宣 幕府と義宣 福島改易と義宣 公儀の法度に背かず 第3節 外町の成立 「外町屋敷間数絵図」 町づくりの進展 町の機能−「家督権」 「家督」は領内流通掌握のかなめ 大町の家督権 大町と茶町 院内銀山の「町定」 振売 第4節 成立期の久保田に集う人びと 「町人」とは 「旅人」とよばれる人びと 「旅人」の遺児の後見をめぐって 行き来する「旅人」 「旅人」の活動にみる初期の方針 藩権力と都市民 第2章 都市の行政機能と住民の役負担 第1節 町の役職と機能 庄屋 庄屋役の決定 庄屋の機能 町代 住民の闘争と町代 月行事 親父役・年寄 町共同体の意思決定を担う 格年役 商売ごとにおかれた格年 第2節 都市の住民とその負担 時代劇の世界 身分とはなんだろうか 身分を決定した「役」 大町と茶町六町の公役 御伝馬づとめの実際 惣町の人足役 口入れ稼業の存在 鍛冶町の鉄火役 ふたたび、役と身分 第3章 共同体としての町と住民 第1節 町の規制力と調停機能 町共同体 鍛冶町の町掟 大町三丁目の町掟 家屋敷の移動と住民・町 町が出入りを裁く 町が住民を守る 町をめぐる出入り裁許のしくみ 町内無尽と「町銀」 町と個人の自由 第2節 入寺慣行と町共同体 寺に入る 鍛冶町の釘商いをめぐる一件 下肴町の場合 使僧の関与 上肴町の火振り鎌倉一件 “主だちたる者たち”の入寺 入寺と公権力 第4章 都市における商いと営業統制 第1節 「家督」制度の概要 家督とは何か 家督の多面性 自由な商いを制限 延宝七年の仰せ渡し 第2節 「家督破り」の諸相 振売りの実態 振売りの統制 振売りの横行 辻売りの盛行 辻売りと脇町・家督町 通町と辻売り 大町五丁目の家督主張 脇町の苦悶 家督認識の変化 第3節 動揺する家督体制 米町の家督 新興の町との争い 米沢町と十軒町 各町の家督権要求の矛盾 牛嶋村の家督破り 第5章 「株仲間」の組織と機能 第1節 久保田の諸商売 ある文書 報告書が伝える久保田の諸商売 商売仲間の組織 ユニークな髪結い仲間 髪結いたちの役割 第2節 質屋仲間とその組織 「質屋仲間資料」 「質屋仲間資料」の概要 質屋仲間掟 方法としての掟書 仲間の員数・異動 加入と異動 質屋仲間の諸役 第3節 失せ物調査と質屋仲間 “失せ物”を調査する 「表詮議」と「内詮議」 失せ物探索の実際 第4節 都市金融機関としての質屋仲間 質屋は都市の金融機関 銀札の発行 質屋仲間の動向 銀札の下落 銀札仕法の改正 朝令暮改―三度目の改正 「預」の意義 質屋による「預」の発行 第5節 仲間組織の改編と動揺 仲間組織成り立ちの課題 新質屋仲間の設置 新質屋の選抜 株札の譲り渡し 仲間と「個人」 A家の仲間加入問題 相対による質株の譲渡 久保田近郊農村の質稼業 第6章 久保田の住民構造 第1節 久保田大町三丁目戸籍帳 大町三丁目戸籍帳の特徴 「寄人」とされる人びと 第2節 住民異動の実態 寄人の実態 借家人・長屋人 本町人なみの借家人 本町人 階層間の異動 第3節 借家人と本町人の暮らし 借家人の暮らし 藩の借家人・長屋人対策 ある大町転居者の資料 農民から町人へ 久保田進出の準備 久保田大町へ移る 本町人としての活動 質株の取得 町の“重鎮”へ 佐々木家の“立身”の意味するもの 第7章 都市民の生活と娯楽 第1節 「秋田風俗絵巻」の世界 都市の社会史 「秋田風俗絵巻」より 通町の歳の市 「風俗絵巻」の中の人びと 「風俗絵巻」が描こうとしたもの 第2節 都市民の娯楽(1)―飲酒と盛り場 娯楽としての博奕 集会を統制する 飲酒の盛行 盛り場の発展 料理屋の家督 第3節 都市民の娯楽(2)―芝居見物 芸能者の位置 芝居興行の家督化 『伊頭園茶話』筆者の嘆き 芝居の出し物 “境”という空間 第8章 祭礼の成り立ちと展開 第1節 山王祭の展開 柳田国男の祭礼研究 歴史学的な観点からの祭礼論 地域史としての祭礼研究 日吉八幡神社の山王祭 神事の運営 神輿の渡御 練り山の巡行 山車の変化 権力の関与 第2節 土崎湊神明社の祭礼 土崎湊神明社の例祭 祭りまでの諸準備 若者組の動向 祭りの直前 発展した祭礼の形 第3節 サイノカミ祭の変貌 サイノカミ祭り サイノカミ祭と道祖神祭 サイノカミ祭の運営 サイノカミ祭の変容 第4節 鹿島祭りと眠り流し 鹿島祭り 鹿島祭りの特異性 祭礼を見る民衆の視線 鹿島祭りの規模 “眠り流し” 中心は若者集団 若者集団の行動と役割 若者集団の反秩序的行動 第9章 都市民の闘いと藩政 第1節 飯米確保と都市民の生活 民衆闘争の論理 都市の飯米と沖出米 惣町の訴願運動 飯米要求の実現をめざして 第2節 藩財政と米の流通統制 藩の財政と廻米 宝暦―安永期の藩財政 明和年間化廻米対策 地主への買米指示と代官調達米 第3節 飢饉と藩政と都市民 都市の貧民対策 寛延元年の飢饉 『八丁夜話』と橋本秀美 飢饉状況のはじまり 天保四年七月の状況 藩首脳、一枚岩ならず 公儀の公役をめぐって 瀬戸際の対策 湊町の騒動 柴田次雄氏の評価 湊町騒動の歴史的意義 藩主の御条目 飢饉状況の展開 家口米仕法の実施 家口米仕法の細則と問題点 北浦一揆 都市の階級闘争 参考文献 あとがき |
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