No.112
6週間ぶりの山はブナに癒されて
[真昼岳(1060m・横手市美郷町――2015年9月22日)]
 前回の乳頭山が8月9日。この時も1か月ぶりの山だったが、それからさらに40日余りの空白があり、今回ようやく山登りの機会が巡ってきた。7月8月9月の3か月間でわずか2回の山行というのは初めての経験だ。とにかく忙しかった。それが理由だ。毎日のように人と会い、事務所で打ち合わせがあり、取材や調査で出張が多かった。山にも行かず仕事ばかりの日々だったのだが、そのストレスから体調にもちょっと変調をきたしたほどだ。
 6週間ぶりの山行前夜はやはり緊張した。目がさえて、やむなくDVD映画を観たり、本を読んで眠気を待つが、なかなかそのタイミングがやってこない。目は冴えわたる一方なのだ。この日はフランス映画『画家と庭師とカンパニュー』を観て、それでもダメで内館牧子さんの新作長編小説『終わった人』を読み始めた。これが思わぬ面白さで、けっきょく夜が白み始めるころまで夢中になり、けっきょく読了。本は面白かったが、気分はモヤモヤ、寝不足で複雑だ。

ずっと幻想的なブナ林

ミズの宝庫でもある
 今日の山行はモモヒキーズではない。連休中なのでひまな男3人が寄り集まって「ブナ林でも歩いて癒されよう」と集まった。
 実は3日前あたりから左足足首に痛みがあった。恒例の痛風症状が出たのかとチョー不安だった。念のため痛み止め薬を飲んだら、なんと当日は痛みがすっかりとれていた。本当に通風だったのか。
 今回も登る前に登山口裏手でキジうち。もうすっかりキジうちのプロになってしまった。喜んでいいのか悲しむべきなのか。もうどんなところで便意をもようしても慌てることはなくなった。

 天気予報は晴天だったが、山はずっと曇り空。一度として晴れ間がない。それでも若いブナ林の美しさはいつものまま。登りは3時間ちょっと。正式なコースタイムは2時間40分、ラクビ―ワールドカップの話題で盛り上がりながら、男たちだけののんびりブナ歩き。6週間ぶりの身体にはちょうどいいタフさだった。
 下りは2時間半。登りよりも下りに技術が必要な山なのだ。なぜだろう。
 温泉は「柵の湯」。柵というのは「払田柵」のこと。温泉も史跡の里らしく上品でシンプル。ゴテゴテしたところがないのが気に入っている。山に行かないと温泉に入ることもない。だからこの夏はほとんど温泉とは無縁だった。6週間ぶりの温泉をどん欲に楽しんできた。

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