No.133
青空でも強風、簡単には登れない山
[鳥海山(2236m・山形県遊佐町――2016年5月8日)]
 毎年GW最大行事である祓川登山口から直登する鳥海山雪山登山だが、5月4日は雨で中止になり、4日後の8日に変更になった。GW最後の日である。天気はいい。バックカントリー(山スキー)愛好家たちで登山口の駐車場は満杯だ。うちの新入社員も昨夜から泊りがけで月山にバックカントリー。スキーを担いで山に登るなんて信じられないのだが格好良く滑り落ちてくるスキーヤーを観ていると、いつか自分もやってみたくなる。危ない、危ない。
 前夜の寝付きもよく、便通もよかった。この2つをクリアーしただけで登山は成功したも同じ。そう思えるほど、この2つのことには悩まされてきた。登山歴10年にして初めて前夜もぐっすり眠れ、朝の排便も普通にできるようになったわけである。
 体調よく登り始めた。天気もいい。GW最後の日のせいか登山客も多い。ちらりと贅沢な不安が頭をかすめた。「こんな時にはアクシデントが起きやすい」。予兆があったわけではないが、なんとなくすべてが順調だと、不幸は突然やってくる。これまでの経験からの勘だ。
 8合目の七ツ釜避難小屋あたりまでは順調だった。ここまで1時間半。ここを過ぎたあたりから急に風が強くなった。これも想定内だが、途中で引き返して滑り降りてくるスキーヤーの数が多くなった。上はかなり風が強いのだろう。

8合目付近でランチタイム

ようやく八塩山新登山口を発見
 標高1800m地点まで行くと強風で前に進めなくなった。強行してもいいのだが山頂にものすごい雲が沸き上がっている。
 下山を決めた。スゴスゴと降りだした途端、にわかに頂上の雲がはれ、絵葉書のような鳥海山が顔を出した。
人生はこんなもんだ。また登り返すのは無理。山頂の見栄えはいいが、人が立っていられないほどの強風が吹き荒れているのは間違いない。七高山山頂に立つのはしばらくお預けだ。鳥海山は一筋縄ではいかない。            
 早く下山したので、前から気になっている八塩山の「幻の矢島登山口」を探しに行くことにした。もう2度トライして2度とも発見できずにいる。近辺の村人に訊いても、その場所が今ひとつはっきりしない。村人にとって登山口より山菜だ。遊び場の場所などに興味がないようだ。それでも悪戦苦労の末、登山口を発見した。今年は何度かこのコースを楽しむつもりだ。よかった。
 温泉はお気に入りの「黄桜温泉」。併設された野菜直売所でたっぷりと野菜を買い込んでしまった。 

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