No.157
中世の由緒ある山を静かに歩く
[高岳山(222m・八郎潟町――2017年2月19日)]
 冬になってから毎週、かかさず山を歩いている。冬山をスノーシューやカンジキで歩くのはリラックスできるし、近場に限定されるので苦手の早起きも、いつもどおりでいい。日が暮れるのが早いから遠くには行けないからだ。さらに夏場と違って山中の目に入る情報量も少ない。余計なことを考えずに白銀の世界にすんなり溶け込んでいける。
 実は今年に入ってから、仕事がめちゃくちゃ忙しい。こんなこと、過去にあったかと思うほど、原稿がまとまって入り四苦八苦の日々だ。どうにかすべての入稿を終えて、少しは余裕が出たものの、毎週末必ず出かけるスノーハイク登山の習慣がなければ、心はとっくにパンクしていたかもしれない。

 今日は冬場では初めての山。八郎潟東部承水路の西隣に位置する高岳山は森山の隣にあり、これで「たかおかやま」と読む。近くに「高岡集落」という場所があるから、ここから来た名前だろうか。延喜式式内三社のひとつ副川神社がある由緒正しい山でもある。室町時代末期の山城・浦城のある場所としても有名なところだ。
 夏場は何度も登っているのだが冬も面白そうなので、私の提案で実現したものだ。今日の参加者は3名のみ。
 山門をくぐって登りはじめる。いきなり急峻な坂が続き、これが山頂まで続く。40分間有無を言わせない登りだけなのだ。雪は少ない。それでも堅雪をツボ足で歩いていると、いつ雪が抜けるか、けっこうストレスがたまる。で途中でカンジキに履き替えた。これで信じられないほど歩きが滑らかになった。カンジキってすごいなあ。

山頂眺望は一級品

ランチは定番のおかゆです
 山頂では八郎潟や大潟村が一望できる。もしかすればこの山は秋田県の広さを一望できるもっとも眺望のいい山かもしれない。
 帰りはアップダウンを繰り返し、浦城跡の横を通って登り口に帰ってきた。この山はもしかすると冬用に向いているかも。来年も来てみよう。  
 温泉は秋田市のさとみ温泉にある「りらっくす」。ここの露天風呂は広くて開放感があり、お湯のぬめり度も肌に合っている。好きな温泉だ。

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