No.174
「魔の山」で「ミツバチ登山」のその後には……
[七座山(287m・能代市二ツ井町・2018年2月25日)]
 三日前に東成瀬村の雪の状態を取材、そのすさまじさに圧倒されて帰ってきた。道路脇には3メートルを超す雪の壁ができ、景色がまったく見えない雪のトンネル状態だ。それに比べると同じ県内とはいっても能代、二ツ井はまったくといって雪ない。秋田市よりも少ないのだから驚いてしまった。県南部と県北部の積雪量がこんなに違うのは、何が原因なのだろうか。
 今日は能代市二ツ井にある七座山。夏道でも迷うことがあるほど、登山道が分かりにくい。まして雪山は一筋縄ではいかない「魔の山」だ。思ったよりずっと雪が少ないので、長くつにスノーシューで歩き始めたが、かんじきはまだしもスノーシューと長くつは相性が悪いのをすっかり忘れていた。深い雪の中をスノーシューで進むと柔らかい長くつからスノーシューのひもがずり下がって脱げてしまうのだ。これは大失敗。面倒くさがらず登山靴にすべきだった。
 そして今回もまた最高峰のある権現倉の手前で道に迷い、上にも下にも出られず、そこから引き返すことになった。仲間たちは何度も冬場も来ていて道を頭に叩き込んでいるのにもかかわらず、なかなか頂上には立てないようにできている山なのだ。

山に雪が少ない

これがハニーカム岩壁
 収穫は、夏道では通らないので見ることのできない「ハニーカム」と呼ばれるハチの巣状の巨大な凝灰岩を見ることができたことだ。どこからどう見ても巨大なハチの巣にしか見えない。実は今日は歩き始めから「養蜂」の話で5人の山行メンバー中2人が盛り上がっていた。2人とも真剣に「養蜂」に取り組みたいと思っているのだ。そこにきてこのハニーカムだから、今回はまるで「ミツバチ登山」である。

 温泉は登山口のすぐそばにある「一の座」温泉。温泉とはいっても沸かし湯なのだが、小ぶりでアットホームな清潔感のあるお風呂で好きなタイプだ。
 烏の行水の風呂を終え、今度は小生の単独行動で秋田市まで戻り、そこから県南の浅舞の酒蔵で飲み会に参加した。移動距離200キロである。酒蔵では作家のSさんから、日本でも有名な養蜂家Fさんを紹介された。あの銀座のビルでハチを飼っている人で、日本在来種ミツバチの会の会長でもある。朝から晩までミツバチづくし。こんな偶然もあるから人生は楽しい。

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