No.181
サロンパスに助けられて
[太平山奥岳(秋田市・1171m・2018年9月2日)]
 満を持しての太平山。天候も問題なしの晴天。朝ごはんも排便もばっちりで、身体に異常はどこもない(これはかなり珍しい)。
 いうことのないコンディションだが、果たして登れるだろうか。
 「ここに登れたら県内の山はどこも大丈夫」といわれるほど太平山はハードな山。アプローチが長く、急登もいたるところにある。「難所」といわれる個所がないのが救いだ。
 登り始めて分かった。やはり体力は落ちている。それに今日はSシェフと2人なので安全面は安心だが先頭を任されてしまった。これはきつい。自分のペースをつくれず知らず知らずのうちにスピードを上げてしまうからだ。疲れが激しく30分毎に長めの休養をとる。心のどこかに「御手洗」まで登って、あとはリタイア、という気持ちが強くなった。3回の休憩をいれて2時間で御手洗に到着。冷たくておいしい水がコンコンとわき出していた。これでにわかに元気が出た。水を飲んでいたら「頂上まで行ける」と確信できた。
 頂上までは約70分。先頭のままゆっくりと七曲りを越えた。数年前、やはりSシェフと2人でここまで登ってきて、突然気分が悪くなって登頂を断念した記憶がよみがえってきた。頂上の小屋が見える場所で引き返した忌まわしい記憶だ。
 今回は何の体調の変化もなく楽々そこをクリアーし、3時間15分で奥岳山頂に。山頂からは秋田市内から大潟村の全貌までくっきりと眺望できた。

雪渓が大きい

山頂にて
 悲劇は下山で待っていた。下り始めたらすぐにハムストリングスに痙攣の予兆が現れた。御手洗につく頃には完全に両足とも歩くのが辛いほど悲鳴を上げ始めた。下りの先頭をSシェフに代わってもらい、ゆっくりと自分のペースで下りはじめたが痙攣は止まない。Sシャフがエアーサロンパスを両足に噴射してくれる。この手の薬はあまり信用していなかったのだが、あら不思議、痙攣はピタリと止まったではないか。劇的な効果である。このサロンパスのおかげで快適に下山することができた。私の足を心配して30分毎に下山も休憩をとろうとするSシャフに思わず「休憩はいらない。早く下りよう」と言いかけたほどの足の状態は快調だった。サロンパスの威力、恐るべし。
 温泉はザ・ブーン。ここの露天風呂が広くて熱くなくて好き。洗い場もゆったりしている。入った途端、両足かかとに鋭い痛み。かかとに5円玉ほどの靴づれの跡がくっきり残っていた。

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