No.206
一度に2座の頂に立つ
[東栗駒山(宮城県栗原市 1433m・2019年7月21日)]
 何やかやで6月2日の太平山奥岳以来だから、山行は50日ぶり。ちょっと体力的にも不安だったが、なにより不安だったのは山名が初めて聞く山だ。とすれば登頂すれば、私にとっては初登頂になるわけだ。 
 登り口は栗駒山と同じなのだが、名残ケ原から昭和湖に向かって直進する標準ルートは昭和湖近辺にガスが発生しているとかで通行禁止。いつもは帰りのルートに使う産沼口の、それよりさらにもう一つ岩手や宮城側にある「東栗駒山ルート」と呼ばれるコースを登ることになった。もちろん初めてなのだが、雪渓歩きあり、渡渉あり、岩場あり、ヤブ漕ぎありの、ワイルドな山歩きになった。
 1433mある東栗駒山(宮城県栗原市)の山頂までは3時間半の長丁場。それでも見るものすべて初体験なので新鮮だ。いたるところに雪渓があり、渡渉も加わって、先が読めないので気が抜けない。かなり高度を稼いでも豊富な水量がある。山頂には雨水をためておける平坦地が多くあるのだろう。

夏に雪渓を歩く贅沢

東栗駒の山頂に立つ
 ようやく山頂につき、ここでランチ。2リットル以上の水と味噌をつけて食べるキュウリをたくさん持ってきたのは正解だった。登山口はガスがかかりミストが発生して寒いほどだったが、登るにつれて暑くなった。下界では確実に30度を超えているに違いない。
 こからさらに須川岳(栗駒山)1626mに1時間かけて登頂した。昼を食べて腹がくちくなってからの登りは本当にきつい。
 帰りはいつもの産沼ルート。トータルで8時間近くの山行になった。最初は「山の呼吸」というか空気になじむまで時間がかかってしまった。何とか問題なく踏破することができたが、明日は筋肉痛間違いなし。やっぱりいきなりの山行にしてはちょっとハードルが高すぎたかしれない。体力も気力も落ち続ける70歳のヨレヨレ・オヤジだ。

 温泉はフンパツして秋田県側にある栗駒山荘。フンパツというのは入湯料が700円と、県内では最も高い日帰り温泉になるからだ。じっくり元を取ってやろうと思うが、こればかりは普段のルーチンを大きく変えると体調を崩してしまう。まずは入浴前に身体を隅々まで洗い、ひげをそってから、露天風呂に5分ほど浸かる。これで終わり。これ以上入っているとのぼせてしまうからだ。そんな体質である。

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