No.235
ようやく山名の由来が分かった!
[雄長子内岳・稲川町 456m 2020年11月12日]
 先週に引き続き平日だが稲川町の雄長子内岳へ。天気予報は曇りだが山中はピーカンの青空だった。20度を超す暑さで、油断して少量しかもっていかなかった水が登りでもうすっからかんになってしまった。このへんが山登りの難しいところだ。雄長子内岳はほぼ1時間近く急坂だけが続く結構きつい山だ。特に下りは登りと同じ時間を要するのでヘロヘロになった。
 山名の特異さにも興味を持っていたのだが、その由来を知っている人がいない。前日にしっかり調べたのだが平凡社の『秋田県の地名』にはほぼ地名由来に関しては1行の記載もなかった。同じようなボリュームのある同時期に発売された角川書店の『日本地名辞典 秋田県』にようやくその由来が書いてあった。なるほど辞典というのはこうして「調べ比べ」をするとその良否がすぐにわかるのか。
 角川の辞典によると雄長子内岳は、東鳥海山塊の後ろ斜面に位置する流紋岩の山で、これは火山岩の残骸なのだそうだ。山頂にある滝の上が扁平で酒器の「銚子口」に似ていることから、近辺の人たちには「長子沢」と呼ばれていたという。そして山頂から見る北隣の山容が実に秀麗でそちらのほうは「雌長子沢」と呼ぶようになった。この記述から推測するに、「雄」「雌」は雌のほうがはやく、「雄」のほうはあとからの「後付け命名」だったようにも読み取れる。

青空の山行

山頂の三吉神社の祠
 山頂には太平山三吉神社の小社があるが、実は山腹には春日神社もあるという。今回は注意深くその神社を探したのだが見つからなかった。その昔は山麓に長子鉱山があり、文政年間(1800年前半)には鉱山として稼行していた。第2次世界大戦中、軍部がその銀山を再開発する目的で探したが、結局は見つからなかったという。
 なるほど、やはりなかなか面白い歴史を抱え込んだ山だったわけだ。

 下山して、増田の佐々木農園で恒例のリンゴ狩り。農園でたっぷりリンゴを買い(もらい)、近くにある温泉「ゆっぷる」へ。

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