No.266
歴史と景観のバランスのある山
[高岳山・八郎潟町・221m・2022年4月26日]
 先日の姫神山の急坂による筋肉痛がまだ残っているのに今日も週日山行である。能代市に住む30代の女性の休日が月曜日なので、彼女のためにSリーダーが企画した山行だ。
 山はよく登る八郎潟町・高岳山。ちょうど秋田市と能代市の中間地点ということでこの山になったのだが、私自身は「中世の城館」取材で、この山隣りにある浦城をじっくりと歴史の目で見てみよう、という思いからの参加である。
 高岳山は本当にさまざまな歴史の詰まった、見どころ満載の山なのだが、登り始めから山頂まではわずか30分ちょっと。その間ずっと上りっぱなしという変則的な山だ。景観(大潟村の全貌が見渡せる)も豊かだし、小さな花々もいくつも見ることができる。今日は急坂に可憐な薄紫色のタチツボスミレが顔を出していた。山頂付近には何と「便所花」とバカにされるヒメオドリコソウもチラチラと顔を見せる。山の安町付近にこの外来種の雑草が見えるのは、ほとんど家からサンダル履きで山に来る人達が運んできたものなのかもしれない。

これが浦城本丸付近

大潟村の菜の花ロードで
 急坂を一気に登って、今度はゆっくり、激しく下降を繰り返し、降りきったところで地続きの別の丘へと渡る。ここが高岳山の隣にある浦城跡だ。高岳山は最初の30分がシンドイが後は下りるだけ。ところがこの浦城はさすがに中世の秋田の城郭の中でも「最も難攻不落な城」といわれた場所にある。幾重にも人工的な堀や土壁によって、山頂にたどり着けないように造られた、自然景観をうまく利用して造られた要塞である。山登りよりもよほどエネルギーをつかう急坂が連続する場所だ。重い足を引きずりながら、どうにか本丸までたどり着き、そこでランチ。
 帰途は大潟村に寄り、温泉に入り、直売所で買い物し、菜の花ロードを堪能してきた。今日は朝早くから新入社員は恒例の鳥海山・稲倉山荘に出店のための納品があり不在。事務所を午前中空っぽにしてしまった。

 温泉はホテルサンルーラル大潟の8階にある「美肌の湯・大潟モール温泉」。500万年前の海水が地層水となったものだ。赤黒くショッパイのは腐植質のためだろう。とにかく地上8階からの展望が素晴らしい。大潟村の桜も噂にたがわずなかなかのものだった。なにせ道路延長11キロに3700本の桜を植えたのだから、見ごたえ満点だ。菜の花ロードも見事だった。


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