No.274
八甲田山・雨の赤倉岳もいいもんだ
[赤倉岳(1548m・青森県十和田市――2022年7月19日)]
 雨模様だが休みをもらって八甲田山登山。総勢4名で、朝は前回に続いて4時起きなので眠い。十和田市の酸ヶ湯温泉からスタートし、仙人袋を経て最高峰の八甲田大岳(1584m)に登り、毛無岳を回って酸ヶ湯温泉に帰ってくる縦走ルート。だったが雨が一向に小降りにならず、急きょ、ロープウエイ経由の赤倉岳登頂に切り替えることになった。このロープウエイから赤倉岳コースは数年前、ひとりで登ったことがある。雪があったので秋の終わりころか。まあ、この雨の状態ではやむを得ない。なによりも雷が怖い。
 登山中、ずっと小雨は降り続けたが、新しいザックに卸したての靴、新品カメラと、その性能を試すにはいい機会になった。特にカメラは耐水性なので雨のたびに悩まされていたのがウソのよう。雨具だけが10年選手で、これはもうだいぶくたびれてきた。
 ロープウエイの中には半そで半ズボンの若者もいた。いくら周辺散策とはいえ、ここの立地は高山でありヤブも多い。この雨でこんな格好で歩くのは無謀に過ぎる。事故に遭わなければいいのだが登りの間、アオモリトドマツの好きなホシガラスが、珍しそうに我々の後をついてきた。雨の八甲田も悪くない。登山道がきれいに整備され、木道が敷いてあるから靴も汚れない。

山頂で記念写真

珍しい風呂でのスナップ
 登りに1時間50分、下山に1時間20分、ロープウエイの休息所でランチをとった。案の定、例の半そで半パン男は赤倉岳山頂付近で仲間に助けられるようにレインウエアーを着て寒さに震えていた。

 ロープウエイのトイレでめずらしいものを見た。4種類の外国語で書かれたチラシだ。海外からの観光登山客が多いのだろう。英語に韓国はわかるが、似たような漢字が並ぶ簡体と繁体というのもあった。 どちらも中国語だが、文字改革で簡略漢字の中国語が「簡体字」で中国本土の人が使う言語だ。いっぽう簡略化される前の元の漢字で、台湾や香港で使う漢字が「繁体字」だ。秋田にはこうした表示が必要なほど外国人が押し寄せる観光地は皆無なので、中国語の2種類の表記というのは初体験だ。

 温泉は有名な「酸ヶ湯温泉」。入湯料は1000円で、これまでの山行後の温泉では最高値。湯上りタオルが無料で使え、洗顔タオル付だ。風呂は混浴の大浴場ではなく男女別の個室のこじんまりしたもの。耐水性の新品カメラの性能を試すいい機会なので、浴場にカメラを持ち込み、Sリーダーをパチリ。フラッシュがなくともよく写っていて大満足。家に帰り着いたのは6時半だった。

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