No.300
中岳・山での会話ほど楽しいものはない
[太平山中岳・951m・秋田市――2024年5月5日]
 今年2回目の連日登山。昨日の前岳は「ゆっくり」がテーマだったせいか疲労はない。そこで今日もオーパス・リフト口から中岳まで登ってきた。さすがバテた。理由は朝ごはんなしで登ったせいだ。要するにシャリバテというやつだ。
 GW中の好天なのに登山者は少ない。いきなりロフト口駐車場で、東京からやってきたという登山者に話しかけられる。コンロのガスをもらってくれ、というのだ。ガスは飛行機に乗せられないから、捨てていくしかないのだという。面倒くさいが、これも小さな親切だ。
 登り始めるとすぐに、下山してくる高齢女性と出合った。「早いですね」と声をかけると、下山後にもう一つ、近くの妙見山にも登るのだそうだ。これはちょっとと驚いた。妙見山は山頂まで20分ほどの小さな山だ。山のなかが楽しくてしょうがない、という方のようだ。
 前岳山頂では「ヒル」に詳しい男性登山者がいて、面白い話をいっぱい聞くことが。ヒルはもう出ているそうで、彼は対策に食卓塩の大ビンを持ち歩いていた。真夏でもアンダーパンツは欠かせないそうで、昔の前岳ルートの話なども詳しく教えてくれた。麓の柳田集落の人だという。

山頂に雪は消えていた

前岳山頂で宴会をしている人が
 前岳で一息ついて、ここからは1・2キロ先の中岳へ。途中からきつい登りになるのだが、ここで完全にシャリバテ。おにぎりをひとつ食べて回復を待つ。
 中岳山頂で雄大な景色を楽しみながら、豪華なランチをするのが今回の目的のひとつでもある。いつものパンやおにぎりでは味気ないので、コンビニで「かつ丼」を買い込んでいった。いざ山頂でそのカツ丼を取り出すと、なんと冷凍でカチカチ、食べられなかった。チンしないとダメなのを知らなかったのだ。
 下山途中の前岳山頂で、ブルーシートを敷いて一人宴会をしている男性がいた。ずっと独り言をつぶやきながらラーメンをすすっていた。山にはいろんな人がいる。

 前岳、中岳の連日登山は終えて一夜たったが、筋肉痛も疲労感もない。私はスーパーマンになったのだろうか。


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