No.306
前岳・1週間の時間感覚が遅い
[太平山前岳・774m・秋田市――2024年6月8日]
 今日はリフト口から中岳まで行こうと思ったが、思ったより身体が重く、前岳で断念した。山頂まで1時間20分。山頂で一人、20分ほどボーっと過ごした。ひとりだけのいい時間だったが、中岳に行こうという気は最後まで起こらなかった。それにしても、ひとりだと何でも自由に決められる。すぐにやめてもいいし、朝眠かったら登るのを辞めればいい。登山口で不快なことがあれば、そのまま帰っても誰にも迷惑は掛からない。
 山頂の温度は27度、虫はいないし、水の消費もそれほどでもなかった。山での大敵は、何度も書いているように、「暑さ」だ、デブなので大量の汗をかく。そのため3リットル近くの水を背負っていく。それが、このところの鍛錬で、あまり汗をかかないようになりつつある。
 下山途中の女人堂で、山仲間のF女史と会う。彼女もこの山の常連だ。新しくしつらえられたベンチに腰かけて、しばし談笑。この新設ベンチも、冬道を付けてくれているYさんがしつらえてくれたものだそうだ。「いつか中岳経由で奥岳まで行ってみたい」と話すと、「鶴までは簡単に行けるよ」とアドヴァイス。そうか、まずは鶴まで行ってみるか。

登山道にはヘンな木がいっぱい

いつかあの奥岳まで
 家に帰ってシャワーを浴び、昼めしを自分で作り(冷やし中華)、野球中継を見ながらソファーに横たわった途端、熟睡。野球の結果はわからずじまいのまま。やっぱりけっこう身体は疲れている。
 こうしてサンダル履きで、一人で、気ままにに、20分ほどで行ける山があること事態幸せなことだが、このところ自分の時間感覚が劇的に変わったのも特筆すべきことだろう。今年の4月から前岳・中岳に毎週のように登るようになったわけだが、それ以前は1週間がとにかく早く過ぎた。「え、もう週末なの」という感じで、毎週、金曜日がすぐにやってきた。それが週末登山を始めた途端、「まだ週末が来ないのか」に変わってしまった。先週の山行の記憶がはるか遠くの過去の思い出になっているのだ。単に「ボケが始まってるだけだろう」と半畳が入りそうだが、いやいや先週の山行はもう遥か昔の出来事で、細部を思い出すのも難しい。でも時間の過ぎるのは、早いよりも遅い方が、あきらかに日々の暮らしは充実している、ような気がするのだが。

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