No.307
前岳・下山後に寝込むって、どういうこと?
[太平山前岳・774m・秋田市――2024年6月15日]
 今日は30度を超えるというので、あえて前岳(金山滝)に挑戦した。とにかく山登りの最大の敵は「暑さ」だ。これはクリアーしないと、これからも恒常的な山登りができない。去年、まだ暑さが残る前岳に登り、体力的には自信があったのに、暑さで水を飲みつくし、女人堂までもたどり着けず、ヘロヘロになりながら途中下山した。このトラウマを払拭したい。登山道の真ん中に人糞に似たひょろ長い糞があった。何の動物かなと思ったが、今日一日だけで同じような糞を3カ所で見つけた。同じ動物のモノのようだ。こんな珍しいこともある。
 9時半から登り始めた。歩き出してすぐ、最初の急場で、もう暑くて今日は無理そうだなあ、といち早く諦めモードに入った。でも、ここでやめれば去年に戻ってしまう。金毘羅様の石碑で10分ほど休み、ここで帰るか、続けるのか、自問する。体力が少し回復できたので、ゆっくりゆっくり登ってみようと気持ちを引き締める。なんとか女人堂まで取り付いた。女人堂には山仲間のF女史がいて、ここで休憩しながらおしゃべり、これですっかり息を吹き返した。前岳山頂まで一挙に駆け上がり、帰りはいつものペースで下りてきた。

ここで帰ろうと思ったが……

何のフンかわからない
 暑さ対策は「休憩」を30分に一回は入れること。それも10分近く時間をかけてゆっくりするのがいいようだ。休んでいる間にエネルギー補給し、身体を蘇らせる。炎天下の登山は、これしか方法はない。

 というわけで、どうにか登りきることができたが、何もかもがうまくは行かないのが人生だ。下山後、家でシャワーを浴び、山の用具の後片付けをしようとしたが疲労困憊、その気力がわいてこないのだ。そのまま事務所のソファーに横になり、3時間(!)、そのまんま。幸いカミさんが上京中で、夕飯は簡単に肉を焼いて食べ、夜9時には早々と寝床に。そして起きたのは翌朝7時。10時間余りコンコンと寝ていた計算だ。
 週1で山に登り、基礎的体力は十分とうぬぼれていたが、大敵「暑さ」の前ではこのていたらくだ。長年の宿敵に完全に打ち勝つのは夢のまた夢か。
 朝一番でシャワーを浴び、少しはシャンとしたのだが、身体にこれだけの疲労が蓄積されていたことのショックは大きい。少しの希望は、かなりの微弱な「風」でも身体が感知できるようになった。風を身体が感じると、そのぶん水を飲む回数が減る。山での風というのは「水分」でもあるか。

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