No.308
中岳・山にはもうトンボが飛んでいた
[太平山中岳・974m・秋田市――2024年6月22日]
 暑さ対策には課題を残したままだ。今日も28度近くになる予想があったので、暑さトレーニングには絶好の日だ。先週は金山滝から前岳だったので、今日はオーパス口から前岳経由で中岳を目指す。
 時計の温度計では26度、風はなく、虫もいない。汗で眼鏡が曇るので、外せて首からつるせる「チェーン」を付けたので、眼鏡が気にならなくなった。さらに前回から山行にはICレコーダーを携帯するようにしたので、歩きながら気がついたことを片っ端から録音するようになった。今日吹き込んだのは、「サスナビリティについて」。登山口に来るまでの路上で、ランニングする人やサイクリングする人に多く出会う。最近はなぜかランニングは少ないが、山中ではトレイルの若者がいっぱいだ。これらの人たちと比べてなのだが、山歩きというのは実に「サステナブルな運動」だと感じてしまう。というのも山歩きは70代、80代が当たり前の世界だが、トレイルやランニング、サイクリングはほとんどが若い時の数年だけのスポーツで、何十年も続けている人というのはほとんどいない。膝や腰に負荷がかかりすぎてケガでやめてしまう人が多いという話をよく聞くのも無べなるかな。
 「山歩きこそ持続可能なスポーツだ」と彼らを見るたびに思ってしまう。女人堂まで1時間10分。かなりゆっくりとしたペースだが、やはり暑さに体力は消耗し、けっこうグンナリするほど疲れた。さすが今日はここでやめようとベンチで10分ほど休んでいたら、目の前を大きなトンボが飛んでいる。山はもう秋か、と突っ込んでしまう。座ったベンチは私の汗で雨後のように濡れている。

山頂は草木が生い茂り始めている

ここから奥岳に行くのが夢
 10分休んだら、もう少し行けそうだ、と気持ちが前向きになった。汗がひいたら元気が出たのだ。ここから前岳を通過し、一挙に目標通り、中岳まで駆け抜けた。途中、マムシのような蛇に出会ったが、よくわからない。それにしても中岳の最後の20分の登りは「もう登りに来るな」と山に悪態をつかれているような気分になる。岩場や木の根っこの張り出した険阻な急坂続きで、いかにも性格の悪い山というイメージだ。最後の体力を使い果たしたあたりで、「待ってました」とばかり急坂が出現するのだからまいってしまう。ここのラストを苦も無く登れるようになるのが次の目標だ。
 山頂まで2時間半もかかってしまったが、ようやく山頂に立つことができた。2・5リットルの水はすべて飲んでしまった。ちょっと水は飲みすぎだが、汗は思った以上にコントロールできた。

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