No.318
前岳・小春日和の理想的な山登り
[前岳・774m・秋田市――2024年11月16日]
 明日から天気が崩れそうなので、急いで前岳・金山滝コースに挑戦。駐車場は珍しく満杯で路上駐車の車もあった。憎きヒルのシーズンが終わったからなのか、紅葉、落葉まっ盛りを狙ってなのか、理由はよくわからないが、正真正銘の小春日和、空には雲一つない。
 山中の気温は17度前後で、心地いい風もあり、水をほとんど消費しない最高の環境だ。ちょっと不思議な体験をした。前岳は標高が低いのに、結構ハードな山だが、いつもは半分を過ぎたあたりから「まだ着かない、まだ遠い」と呪詛をつぶやきながら登る山だ。ところが昨日は、「あれ、もう女人堂、もうちょっとこのまま歩いていたい」と思っている自分がいて、そのことに驚いてしまった。山歩きというのは自然環境と体力とが、どれだけうまくシンクロするかが、かなり重要なファクターなのだ。
 登山道は落ち葉のじゅうたんで、草木の葉が落ちているので、遠くの風景まで見渡せた。いつも感じている「森に閉じ込められている」という閉塞感がない。「眺望のいい前岳」というのはちょっとした形容矛盾で、だからなんだかいつも登っている山とはちがう山を登っている感覚があった。「……早く着かないでほしい」なんて、山歩きをしながら思ったのは久しくない感覚だった。もうこんなことはないかもしれない。

路上駐車もでたほど駐車場は満杯

カメラにホッカロンを貼る
 登り2時間ジャスト、下りは1時間20分という理想的なコースタイムで山行を終えることができた。といっても実は山用時計を忘れていったので、あくまで経験的時間軸による推測タイムだ。
 体が軽く、自然環境も100パーセント整っている状況だったので、時間的にはこんなものだろう。下山途中、F女史と遭遇、雑談。
 今月初の山行だったが、まったく体力は落ちていない。ノンアルも体にいい影響を与えているのかもしれない。もう少し体重が落ちれば、山に行くのが楽しみになるはずだ。山中は寒いので、カメラのバッテリーがすぐなくなる。その対策でカメラカバーに直接「ホッカロン」を張り付けたら、バッテリーは問題がなくなった。ミスは時計を忘れたこと。時計は山行ではけっこう重要な役割を果たしている。

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