No.59
疲れたけど気分はいい、たぶん最後の雪山かな
[太平山中岳(951m)秋田市――2014年4月6日]
先月15日の院内岳以来の山行だ。3週間ぶりということになる。この20日あまり、身辺にいろんなことが起きた。雪解けとともに身体のいろんなところにガタが出始めた。以前に比べて風邪をひきやすくなった。昼食の糖質制限ダイエットがよくないのだろうか。季節の変わり目にいともたやすく体調を崩してしまう。風邪からどうにか立ち直ったと思ったら今度は股関節に激痛、朝起きられなくなった。近所のT整骨院で「背中も腰もガチガチにきしんでいます」といわれ、そのあたりを入念にマッサージしてもらったら翌朝、股関節の痛みはきれいに去った。疲労が腰に溜まったいたようだ。そして股関節の痛みが去ってホッとしたのもつかの間、今度は右ひざに違和感。いったいどうなってるの。
半年前、一人でこれからは事務所を切り盛りしていこうと決め、受注管理も経理も編集も発送も、すべて一人でやりだした。それがどうにかこなせるようになったと思ったら、調子に乗って取引先の縮小改革にまで手を出してしまった。つい最近まで、そこから発生した「返品問題」で、塗炭の苦しみを味わっうことになってしまった。そうなることを望んだのは自分自身なのだが、思っていたよりもずっとハードで荒っぽい「改革」だった。その荒療治で心身ともへとへとに疲れた。そうした「異常」な事態の果ての体調不良なのだ。

理由はともあれ、体調不良をいつまでも引きずっていくわけにはいかない。踏ん切りをつけるためにも、インパクトのある大きな山に登って、身体の中に清新な空気をひきこみたい。で、久しぶりに太平山中岳に登れることになったわけである。前岳までなら単なるハイキングだが、中岳までとなると冬山登山の心構えが必要になる。秋田市にある1000mに満たない里山とはいっても、そこは吹雪と氷雪の別世界だ。

雪の林をゆく

山頂ランチ
金山滝登山口をスタート。天気予報は曇りのち雨なのに、いきなり青空が見えだした。オーパス登山口からの合流点までは雪も少なく黒い地肌が見えている。女人堂の手前から雪は急に深くなる。前岳を抜けても、天気は荒れ模様になるはずなに、その気配すらない。最近、天気予報は山では当たらない。
先日から右ひざに違和感があった。もし登山中に痛むようであれば、前岳で一人でも引き返そうと思っていた。のだが登るに従って体調がよくなってきた。もしかすれば身体が山に順応してきたのだろうか。
前岳から頂上まではまるで別の山に登っているように、山の難易度も天候も変わる。身体は汗ばんでいるのに、冷気でもう一枚ウインドブレーカーが必要になる。中岳は完全に冬山で春の気配はどこにもない。

3時間10分ほどで山頂へ。中岳特有と言っていい青空の広がる大きな眺望に、歓声が上がる。雪のテーブルをつくって、下界を見下ろしながら山頂ランチ。ガスバーナーもメンテナンスしてきたので一発で着火、気分がいい。
下山は2時間40分ほど。右ひざがここにきて痛みだした。そうか、下山のほうが足に負荷は大きいのだ。みんなから遅れをとりながらも、どうにか下山。行きはよいよい、帰りは怖い、というやつだ。

3週間ぶりのハードな山行だったが(特に下山がきつかった)、気分は晴れやか。温泉は「ザ・ブーン」。ここで入念に右ひざをマッサージした。どうやら痛みはそれほどひどくはない。来週もどこか山に行きたい。

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