No.64
一人前の男になったか、男鹿三山お山かけ
[男鹿三山(真山・本山・毛無山)715m(男鹿市)――2014年4月29日]
 火曜日だがGW休み。男鹿三山のお山かけをすることになった。昔からこの地域では、三山(真山・本山・毛無山)を縦走して初めて一人前の男として認められる、という風習が生きている。去年も、その男とやらになるためお山かけをしたはずだが、もう覚えていない。何か事情があって行けなかったのか、登ったのに覚えていないのか、それすらも定かではない。もしかして俺はまだ一人前の男ではないのだろうか。登ってしまうとその山のことはきれいさっぱり忘れてしまう。
 毎年毎年、飽きもせず同じ県内の山を何度も登っている。これは前の年に登った山の記憶がほとんど消えているので、何度同じ山を登っても新鮮なのだから、つくづく得な性分である。

 朝からおなかの調子が悪い。朝一番で気持ちよく排便できないと山行は精神的にも晴れ晴れしさからは遠くなる。逆にいえば、モリモリ出た朝はどんな山も駆け足で登りたくなるほど、身も心も軽い。実に単純だ。
 今日は縦走である。登り口と下り口が違う。まずは車2台を下山予定地の長楽寺駐車場に止め、残りの2台で全員(8名)が真山神社へ向かう。
 ここから登山開始だ。まずは巫女さんに挨拶(男鹿の巫女さんはきれいな人が多い)、いざ真山頂上へ。まだいたるところに残雪があり、ワカンを持ってこなかったのが悔やまれる。ツボ足でも問題はなさそうだが、山は何があるかわからない。予備装備は嫌がらず持ってくるべきだ。

気持ちのいい山道が続く

五社堂で
 三山では一番難関の真山を登り終え、山頂の神社に参拝。次に本山へアタック、このへんで腹の調子が悪く、我慢ができなくなり「キジ撃ち」。不思議なのだが山で「キジ撃ち」すると、通常の2倍の量がでる。森には排便酵素が充満しているのかもしれない。ほれぼれと、わが成果を眺めつづけたい気分になる。
 身が軽くなり本山も勢いでクリアー。味気ない山頂の自衛隊基地道路にたどりつく。
 最後は毛無山。ここでランチをとり、そこから下山。五社堂から長楽寺へ下りた。縦走時間は約7時間。さすがにこれだけ歩き続けると足も小さな声で悲鳴をあげている。疲労を和らげてくれるたのは色とりどりの花々だ。いたるところに巨大なシラネアオイが顔をだしそのたびに歓声が上がる。男鹿の山は花の山でもある。  
 温泉は「温浴ランドおが」。とりたてて特徴のない温泉だが、脱衣場にやたらと金の鎖を首に巻いた客が目立つ。この日、たまたまそうした湯治客が多かったわけではない。去年来た時もまったく同じ光景に遭遇し、同じような印象を持った。男鹿の人たちは金の首輪装着率が高いのだろうか。ジッコたちのキラキラネックレスは不気味だ。

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