Vol.103 02年8月17日号 週刊あんばい一本勝負 No.100


稲の成長が早いのはなぜ?

 梅雨明け宣言が出てから皮肉なことに秋田は雨が降りっぱなしです。舎内では、まだ梅雨なのではないかとみんなで訝っています。雨が多いのと関係があるのかどうかわかりませんが、石井さんの田んぼの稲の成長も順調のようです。例年になくはやく丈が伸びているのはいい兆候なのか、よくわかりませんが、素人目にはこの時期こんなに早く穂が出て良いんだろうか、と首を傾げています。毎日うんざりするような雨の日が続きますが、それでも稲はすくすくと生育していますから、これで真夏の暑さが数日続けば、後は秋口の風による倒伏さえ気をつければ豊作まちがいなし、となってくれればいいのですが。
(あ)

雨の中の田んぼ

太平川の洪水騒動

 事務所から100メートルほどしか離れていない太平川が8月12日、連日の大雨のため洪水となり付近の民家に避難勧告が出ました。全国的なニュースにもなったためか、多くの方からお見舞いの電話をいただきました。ありがとうございます。私どもの事務所は川から近いのですが、少し高台の盛土の上に建物が立っているため、幸いなことに避難勧告地域からは除外されました。
 12日の夜は消防署と警察のサイレンが鳴りやまず、さすがに不安になって出社していた鐙と私で太平川の現場を見に行ってきました。その時は橋げたいっぱいまで水が上がり、もう1時間降り続けると橋が流される危険もあったのですが、直後から水が引き始め、警報は解除されました。たしか10数年前にも太平川から水があふれ、息子を保育園に送っていく途中で水の中に車が埋まり、保育園も休みになったことがありました。今回はそれよりもひどいようです。幸い被害はありませんでしたが、今年に入って川の改修工事や橋の新築が終わったばかりなので、決壊すればとんだお笑い草になるところでした。
(あ)

これは翌日の水がおさまった川。前
夜はこの橋ギリギリまで水があがった

自転車を買いました!

 ついにマウンテンバイクを買ってしまいました。会社の経費です。自転車専門店の手形「ショーワ」から若主人の順ちゃんに選んでもらったものです。最近は近所の郵便局や銀行、あるいはランチのためにわざわざ車を使うのがほとほとイヤになっていました。これで混んでいる駐車スペースの無い場所(図書館、そば屋、書店、お役所など)にもヒョコヒョコと出かけていけそうです。田舎に行けば行くほど車社会になっていきますが、秋田市でも公共のスペースや流行っている飲食店に行くのに車では限界まできています。

これがアメリカ製マウンテンバイク
 自転車を買った日、さっそく県立の図書館に行き、蕎麦屋をのぞき、古本屋めぐりをしてきました。小さな信号はほとんど無視できるので、まるでニューヨーカーにでもなった気分です。車で見ていた街と自転車で見られる街の表情はまるでちがいます。舎員全員が自転車通勤してくる会社は理想的ですね。
(あ)

No.100

くねくね日記(筑摩書房)
田口ランディ

 『もう消費すら快楽じゃない彼女へ』を呼んだとき、確実にこの人はブレークするな、と感じたのだが、これだけのスピードで変貌をとげるとは思わなかった。前作の『ぐるぐる日記』も読んでいたが、この2年間で、普通の主婦がベストセラー作家になるまでの日常生活や出版社、編集者との付き合い、仕事振りに興味があり、また買って読んでしまった。小説はなぜか読む気がしないのだが、この人の日記はなぜか無性に面白い。日記という形式が自分の子供のように「あっている」のかもしれない。巧いとか正直とかいったレベルではなく、日記を書かせたら読者を満足させる面白い話を延々とつむぎだせる「日記作家のような人」という印象である。これは何なのだろう。普通の主婦の生活を覗き見すると、その主婦が突然お金持ちになり、批評に傷つけられ落ち込んだり、わがままで純真、酔っ払いで子煩悩なバカママだったりする。この変幻自在さが、覗き見が好きな「読者」にはこたえられない。この臨場感は、これまでの作家の日記とは一味違うのだ。たぶん「パソコン」というメディアがもたらしてくれたもののような気がするが、どうなんだろう。

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