Vol.359 07年7月28日 | 週刊あんばい一本勝負 No.355 |
映画と昭和30年代と「秋田」 | |
小説は読んでいないが、伊藤永之介原作『警察日記』のモノクロ映画を観た。若き日の森繁や三國連太郎、森光子らが活躍する昭和20年代の農村人情ものだ。舞台は福島県のとある村、冒頭シーンは婚礼の酒に酔った村人が乗り込んだバスの運転手に酒をすすめるところからはじまる。バスの運転手は恐縮しながら、その酒を飲み、平然と運転する。現代の感覚で観ていると、もうこれだけでぶっ飛ぶが、わずか50年の間に日本人のしぐさや道徳観、価値観はすさまじい速さで変容している。ちなみにこれは昭和30年代の都市部でのことだが、やはり森繁主演の『駅前女将』に仕事をはじめる前に両手にペッ、ペッとつばを吐きかける鮨屋やラーメン屋が出てくる(もちろん批判的視線でカメラはとらえているのだが)。 (あ) |
「警察日記」の一場面 |
写真集と新聞記事 | |
映画「レディー・ジョーカー」のポスターに使われた岩田さんの写真 |
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