Vol.362 07年8月18日 週刊あんばい一本勝負 No.358


お盆は、いかがお過ごしですか。

 お盆期間中なので、ノンビリしたのか更新が遅れてしまいました。すみません。
 いかがお過ごしでしょうか。小舎は13日と14日の2日間を休んだだけで通常通り仕事をしていました。帰省客用の請け負っているプロジャクトがあり、それぞれその仕事のためにお盆休みは返上の形になってしまいました。
 15日に人間ドッグに入りました。お盆真っ只中でしたが、けっこう混んでいました。健診は年2回やっていましたが人間ドッグは今回がはじめ。骨粗しょう症や眼底検査などが増えただけで、いつも通りでした。
 その翌日から1日だけ東京に行ってきました。38度を越す炎天下、あのコンクリートジャングルを歩き回るのは、かなりハードで、山登りのトレーニングだと思って積極的に汗を流しました。
 山登りといえば、お盆期間中は弟とその長男は月山山小屋どまりで、小生の息子も北アルプス・白馬岳に山小屋とまりで出かけたそうで、うらやましい。
 翌日は仙台に移動して一泊したのですが、とにかく30分以上の空き時間にはすべて今書きかけの原稿に手を入れる作業に費やしました。仙台のホテルに泊まって近所のラーメン屋で夕飯を食べ、後はずっと原稿の仕事をしたのですが、夜、お酒を飲まない出張というのも久しぶりです。東京に一泊しかいなかったというのも、かなり珍しいことです。  お盆明けの来週から、気持ちを切り替えて後半戦を乗り切ろうと思います。
(あ)
人間ドッグには検便もあり、これは初体験
養父の墓参り
東京の電車で

No.358

「健康」の日本史(平凡社新書)
北澤一利

 なかなか刺激的な論考である。要約すると「健康」と「体操」の言葉のルーツと日本人の身体の歴史を、豊富な文献を渉猟しながら探ったルポ。健康も体操もどちらも明治以降にできた言葉だ。「健康」のほうはオランダ人シーボルトの影響を受けた、日本を代表する蘭学者の高野長英や緒方洪庵あたりが、彼らの著書や医学翻訳書に使ったのが最初だそうで、長英はシブシブだが、洪庵はかなり積極的に、この言葉に創作的な意味を込めて使っている。だから「健康」という言葉は緒方が創ったと言ってまちがいないようだ。問題は「体操」である。これは時代がかっている。江戸時代末期、幕府や各藩は西洋諸国と日本の軍事力の圧倒的な差を見せ付けられ、戦闘のときの西洋式砲術を移入するために考案されたものだそうだ。その具体例としてアヘン戦争による中国の敗北があり、この時点まで日本人は中国を世界の中心的権威として認めていた。それがイギリスに簡単に負け、精神的な支柱を失うほどショックを受けたという。薩摩と幕府による西南戦争もこの西洋式砲術が勝敗を決した。この技術を持っていた幕府は戦いに勝利し、一挙に砲術のための体操教育にのめりこんでいく。このあたりの大時代的な背景が、面白い。ちなみにラジオ体操は「民族意識」高揚のために考え出されたもので、チェコスロバキアの「ソコル」とい体操家団体を真似たものだそうだ。

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