Vol.875 17年9月16日 週刊あんばい一本勝負 No.867


地震・雷・東京出張

9月9日 昨夜遅く、近所の奥さんが「京都の梁山泊に行ってきた」と訪ねてきて、梁山泊店主から頼まれた写真を届けてくれた。店主にお礼のメールを出そうと机に向かったあたりでグラリ。ほんの一瞬のような気がしたがアワテフタめいて長く感じた。震源が神宮寺で震度5強。PCを開くとお見舞いのメールが。秋田市は平穏そのものだが神宮寺の「刈穂」蔵を心配する声が多かった。先日の豪雨で同じ経営の出羽鶴が甚大な被害を受けている。これで刈穂も、となると心配だ。そういえば昨夜の晩酌は偶然だが「やまとしずく」だった。今朝の「町内草むしり」を事情があり欠席。班長としては失格だなあ。

9月10日 朝ものすごい雷にビックリ。強烈な雷鳴で「近くに落ちたな」と分かった。その近くが、なんと事務所だった。落ちたのは電話線のなか。こんなことは初めてだ。電話が使えないのでインターネットもお手上げ。今日やる予定だった仕事はすべてパーだ。今日もまた町内会の会合があった。このメールはWiーFiのタブレットPCで送信。災害時の緊急事態を想定した身の回りの装備を真剣に考えなければならない時期に来ている。

9月11日 今日からDM発送の注文が入る予定だったが電話は不通、インターネットはダメ。ファックス機能せず。NTTが今日中に来てサーバーを交換してくれるので明日までは復旧する予定。最近、ライフサイクルがうまく転がり始めて、心身とも増長気味ではあった。人間ってそういいことばかりはない。調子に乗ってしまったのをカミナリサマが戒めてくれたのだろう。謙虚に静かに生きていかなければ。

9月12日 電話もネットも無事回復。無線ランと家の電話はまだ不通ですが、ちょっと時間がかかりそう。タブレット(サーフェス)で急場を乗り越える予定でいるが不便は残りそう。手慣れたキーボードで原稿を書けないのが致命的だ。援軍に、PCに強いA長老が来てくれる予定なので、これに期待するしかない。

9月13日 山仲間SさんはPC関係の専門家。A長老のほか彼も駆けつけてくれて電話機、PCがすべて復きゅう。感謝感謝、持つべきものは友。不測の事態に至るたび、わが身の非力、無能力に打ちのめされる。先日も横手で車のバッテリーがあがり何もできず友人の応援で難を逃れた。難局に出くわした時の対応力のなさは昔から弱い。逆境には強いのだが難局には弱いのだ。

9月14日 今日から東京出張。台風の進路が心配だが何とかなるだろう。一昔前と違って自然災害に対する恐怖心は格段レベルアップしている。どうにかなるさ、では済まされない。というわけで年々出張も嫌いになっている。災害もそうだがあの狭いホテルのベッドを思うだけで嫌になる。いま東京で快適なホテルに泊まるには一泊2万円が相場だそうだ。それも予約が難しいという。なんだかちょっと狂ってるね。

9月15日 久しぶりの神楽坂はずいぶん変わっていた。人ひとりしか入れない小さなお店が増えていた。神楽坂にある「離島キッチン」と「むらむすび」という二軒の飲食店の取材が目的だ。ちょっと早く着いたので、ウナギの寝床のようなワイン屋さんで1杯ひっかけた、店の奥が立ち飲みになっている。1杯300円でプラスチック容器のコップに目いっぱい、チーズ食べ放題。イタリア人のきれいな女性がサービスをしてくれるのだが、ワインを買ってくれれば立ち飲みはご愛敬ということなのだろうか。安くてうまくてサービスが良すぎる。で、仕事前に2杯(ペットボトル1本分)のワインを飲んでしまいうヘロヘロで取材先へ。「さすが秋田の人ですね」と笑われてしまった。大失態であるが、こんな店が秋田にあったら、今頃アル中になっていたろうね。
(あ)

No.867

スポーツとは何か
(講談社現代新書)
玉木正之

 スポーツはもともと男性がつくりだした文化だ。女性を排除する傾向にあったのはそのためだ。産業革命(近代スポーツが誕生)の後、女性の労働力を必要としなくなったブルジョアジーが、女性を支配する方策として「か弱い女性・激しいスポーツは無理」という虚構を作り上げ、女性のスポーツを禁じた。根本には「女は男より優れている」という劣等意識があるためだ。走ることひとつにしても、ただ走らせれば最後は必ず女が勝つ。女が男より長生きするのは昔から自明の事実だったのだ。だから競技を100メートルとか1500メートル、マラソンといったふうに距離と時間を区切った……。著者の言葉からの引用である。著者はことスポーツに関しては最も辛口で革新的で根本的な評論家である。日本のプロスポーツを堕落させた元凶としてプロ野球の読売ジャイアンツを名指しで批判し続けている硬骨漢である。スポーツの起源である「遊ぶ」意味から説き起こしているのがうれしい。ちなみに「遊ぶ」の語源は「朝臣でいられる、いい身分」の「朝臣」。天皇のそばにいる人、の意味だ。本書はスポーツ論の基本的ストだ。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.871 8月19日号  ●vol.872 8月26日号  ●vol.873 9月2日号  ●vol.874 9月9日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ