Vol.910 18年5月26日 週刊あんばい一本勝負 No.902


ようやく原稿の下書き完成

5月20日 事務所の駐輪場にクマ蜂が巣を作っていた。まだ小さいのだが新入社員が見つけ殺虫剤を噴霧。巣の下にクマ蜂の死体が数匹転がっていたので気が付いたそうだ。死んだ理由はスズメバチに襲われたせい。ハチの世界ではクマよりもスズメのほうが強いのを初めて知った。そういえば最近まったくといっていいほどスズメを見なくなった。巣作りする場所がないからだそうだ。田んぼがなくなったので食料不足も原因かもしれない。いればうるさいだけだが、いないとなるとなんだか寂しい。散歩の途中、すし屋の玄関口に番のスズメを見た。がんばれよスズメ。

5月21日 20年近く通っている理容室(床屋)が移転。急にお上品な美容室風に様変わりして、ちょっと戸惑う。理容と美容はどう違うの、と店主(オーナーと呼ばれている)に訊くと、もともとは男用と女用の区別だったという。頭をマッサージしてもらい顔をあたってもらうのが快楽なので、私はだんこ理容派。この店主から近所のいろんな情報を教えてもらった。床屋政談って言葉、もう死語?

5月22日 新入社員にアクシデントが生じた場合、すべての事務処理を私がやらなければならない。そこで自分で基本的なことはできるように週に何度かは自分で事務処理をするように心掛けている。アマゾンなどの注文はあちらが作ったシステムやマニュアルで動くので、わずかのミスでもピクリとも動かなくなる。パソコンの前に3時間4時間へばりついて事態は進まない。かててくわえて目が見えない。薄くもやがかかって小さな活字を読むのが苦痛だ。

5月23日 東成瀬村の原稿下書きが完成、書き直し作業に入っている。400字詰め原稿用紙300枚ほどのものだが、取材を始めたのが1年ほど前だ。いろんなことが身辺に生起し、むしゃくしゃしたりすると気分転換やリフレッシュのため、夢中になって原稿を書いていた。書くことで問題から「逃げて」いた。それが功を奏して、思ったよりも早く完成に近づきつつある。ケガの功名というやつだ。

5月24日 テレビを見ていたら皇后の養蚕の様子を映していた。「上蔟(じょうぞく)しています」とアナウンサー。「上蔟」が読めず、読めないから辞書も引けなかった。そうか「じょうぞく」か。「じょうぞく」は成熟したカイコが繭をつくろうとする状態になった時に、マブシにいれる作業をいう。「マブシ」は「蔟」で、ワラや竹、紙などでカイコが糸をかけやすいようにする仕掛けのこと。養蚕って面白そうで興味惹かれる。桑の葉をバリバリ食べる現場をまだ見たことがない。どこかで見られにかなあ。戦前、この養蚕がもっとも盛んだった場所が東成瀬村だ。ここでももうカイコはいない。
(あ)

No.902

セカンドライフ、はじめてみました
(大和書房)
bonpon

 新聞広告の書名にひかれて本を買った。家具も食器も10分の一にして小さな暮らしにダウンサイジング、というコピーに反応したのだ。本を手に取って、「あれ、この夫婦、どこかで見たことあるなあ」というのが第一印象だった。夫のほうに確かに見覚えがある。でも本には本名も生まれ在所も書いていない。現在、仙台在住とだけある。人違いかと思って読み始めると、2年ほど前まで本拠地は秋田市だった、と書かれていた。やっぱり。でもなぜ本名を伏せているのだろう。そんな興味から読み終わり、大きな話題になった前著『bonとpon ふたりの暮らし』(主婦の友インフォス)も読んでみた。娘さんが始めたインスタグラムで夫婦のおしゃれなリンクコーデが話題になり、フォロワー数は63万を超え、それが本の出版にまで結びついた。でも本名を公表するほど、舞い上がっているわけではない。テレビなどでは随分紹介されたようだが、有名になるより、静かにセカンドライフを過ごしたい、という謙虚さが伝わってくる。秋田市では人使いのかなり荒いデザイン事務所に勤務していたそうなので、そのへんとの絡みもあり名前を公表していないのかもしれない。

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