Vol.1235 2024年8月31日 週刊あんばい一本勝負 No.1227

ヨーカ堂とセブンは同じ会社?

8月24日 車庫にハチが巣をつくる、という話を聞きつけて友人が大きなオニヤンマを模した虫除けフィギュアを持ってきてくれた。そのトンボで思い出したのだが、地元紙で「長年岩手や大館ではトンボを食べる習慣があった」という記事を見て切り抜いていた。トンボの胸部を開いて中を吸う。主に幼虫トンボを食うのだそうだ。「トンボは神様だから体に良い」という信仰もあったという。フィギュアのトンボは、いまのところアート作品として、事務所の机に飾っている。

8月25日 毎日服む薬は1種類だけ。逆流性食道炎のためのタケキャブ20mg1錠だ。たまたま昨日、その薬を服み忘れた。夜中に胸のあたりが重苦しく、食道に食べものが残っている不快さで目を覚ました。朝までそのまま眠られぬ夜を過ごしてしまった。義務のように服んでいる薬だが身体の中ではフルに稼働していて責務を果たしていたわけだ。この薬を飲んでいても食道炎が治るわけではない。いわゆる対処療法で当面の「痛み」を抑えているだけだ。薬を服んでもいつか完治する、というわけではない。ちょっと虚しい。

8月26日 薬飲み忘れ事件で睡眠不足。昨日はソファーで一日中うつらうつら。たった一日調子が狂っただけでマイペースを取り戻すために3,4日はかかりそうだ。高齢者の心身は「ルーチン」によって支えられていることを実感。連日の暑さで、山行はなかなか決断がつかない。散歩中の筋トレとストレッチは欠かさないようにしているが、早く涼しくならないかなあ。

8月27日 平出・中島の「K2遭難」は死亡が確定した。こころからご冥福をお祈りしたい。所属していた石井スポーツの発表によれば、7500m地点から「上部偵察」に出かけた際、氷とともに滑落したようだ。その様子は同行撮影スタッフによって目視されている。1千メートル以上滑落したというから凄まじい。さらに登攀中ではなく、偵察中の事故、というところに胸が痛む。今回の登攀には撮影スタッフが同行している。そのフィルムの放映はNHKがやるのだろうが、どのような形の番組にするのか難しいところだ。

8月28日 10月1日から郵便料金が上がる。定型の63円ハガキが85円。封書は84円が110円。ペンフレンドがいるのでハガキも切手も必需品だ。しばらくは在庫切手を使い切るため不足分の切手を貼ってしのぐ予定だ。その不足分はハガキなら22円、封書なら26円だ。ということは「30円切手」が一番効率的か。30円切手は、いまあるものがなくなれば販売中止、と郵便局では決めている。大丈夫だろうか。定型封書はこれまで25グラムまでが84円で、1グラムでも超えると50グラムまで94円。これが10月からは一律50グラムまで110円。これはちょっと便利になったかな。

8月29日 近所の郵便局に30円切手はちゃんとあった。郵便局の帰り路上で「羽後町のスイカ」を売っていた。宣伝幟に大きく「ホリプロモーション」の文字。「あの芸能プロの…?」と売り子のおばさんに訊くと「地元の小さな会社です」。有名な芸能界のホリプロは、実は芸能だけでなく、たとえば秋田県の学術、文化のトップの人選にも深くかかわっている。大学の学長や動物園の特別顧問などだ。タレントに近い文化人や著名人が配置されるのは、ほぼ裏にホリプロの存在があるといってもいい。といってもスイカ売りまでは絡まないか。

8月30日 イトーヨーカ堂が33店舗閉店計画を発表し話題になっている。近所にはイオンタウンやマックスバリューやセブンイレブンなどがあるが、みんなイトーヨーカ堂のグループ企業のように思っていた。最近はカナダのコンビニ大手によるセブンイレブンの買収提案があり、この際こんがらがった頭を整理してみた。ヨーカー堂はセブン&アイホールディングスの傘下の会社で、セブンイレブンも同じ傘下。イオンはまるで関係のない会社で、マックスバリューはこのイオンの子会社だ。コンビニではセブンが一番好きなのだが、経営的にはいろいろ問題があるようだ。ヨーカー堂のトップは確か民主党の岡田さんのお兄さんだったよね。消費者としては必要最低限のことは知っておきたい。
(あ)

No.1227

今夜、喫茶マチカネで
(集英社)
増山実
 関西を舞台にした物語。大坂・豊中にある大阪大学豊中キャンパスのある待兼山駅前の喫茶店が舞台だ。私が知らないだけかもしれないが、「マチカネ」という書名が、実在する町なのかわからず、フィクションの町名に違いないと思い込み、読後、ネットで調べてしまった。本当にあった地名だった。昭和29年にこの待兼山駅前で父と母がはじめた書店と喫茶店。1階の書店を兄が、2階の喫茶店を弟が継いだ。本書の語り部は弟のほうだ。時代の流れもあり65年続いた店の歴史の幕を閉じることになり、その記念イベントとして、残された数カ月に毎月一回、街にゆかりの人々がとっておきの思いがけない体験を語るという「待兼山奇談倶楽部」を主催することになる。そこで語られる7つの、切なくも、美しく、不思議な物語である。「実は、私には、今まで誰にも話してこなかった、秘密があります」というのはこの本のキャッチコピーだが、なるほどこの物語のアイデアは面白い。自分が語り部になり語ればうそっぽくなる話を、その事件の当事者が、満を持して語る、という形なので、説得力は増す。この仕組みが成功した大人のファンタジーだ。脱力系のゆるやかなカイロのような温かさを感じる1冊だ。

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