Vol.227 05年1月8日 週刊あんばい一本勝負 No.223


正月中、気になったこと

 私だけなのかもしれませんが、正月の間中、誰彼かまわず「明けましておめでとうございます」と挨拶する(しなければならない)慣習は、正直なところかなり疲れます。だから年賀状はもう10年以上出してませんし、正月中はなるべく人に会わないようにしているのですが、最近、この決まり文句、廃れ傾向のような気がするのですが、どうでしょうか。秋田のローカルテレビではこの時期、ご近所の八百屋さんやスナック、金物屋さんからキリタンポ屋まで「謹賀新年」のご祝儀スポット広告を出すのが慣例なのですが、これも昔ほどの頻度で見かけなくなりました。出さないのにいただくばかりの年賀状も8割は会社義理出し経費印刷系で、ありがたみはほとんどありません。「正月」に対する意識が変わりつつあるのは間違いないようです。
 そんなわけで、もうすっかりいつものペースに戻って仕事をしていますが(抜けるほどの正月気分がないので)、例年と違うのは年始めから事務所の前と後ろで建築工事が進行中なことです。事務所前の田んぼは大きなアパートが4つも5つも建ってすっかり見る影もなくなりましたが、暮れからお隣の民家も全面建て替え工事に入りトンカチ・ギーギー・ガンガンという音がやみません。これが2ヶ月近く工事は続くそうですから、少々憂鬱です。でもまあ、この程度の不満不平を言いながら新年を迎えられたのは幸運なことかもしれませんね。今年も1年、変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いします。
(あ)

事務所の前も後ろも工事中

ガッコとカラスミだけのお正月

 お正月は、去年に引き続き東京で過ごしたので飯田橋のEホテルの「中華おせち」を頼みました。正月中はこれでチビチビ酒を飲もうと思っていたのですが、中身はやたらに「鶏肉」が多く、味は良かったのですが、おせちとしては完全に選択ミス。そこで秋田・朝舞漬物研究会の漬け物と、暮れに買っておいた神保町の焼鳥屋Mでつくっているカラスミを急遽代役にしたて、どうにか1週間、東京での正月を乗り切りました。酒のツマミや肴になり飯も食えるのですから「漬け物」さまさまでしたが、1週間、この塩分の強い食料を食い続けため、口の中がまだ塩っ辛いような感じが抜けません。
 年をとったのでしょうか、このごろは「食べたい!」と渇望する料理はほとんどありません。毎日、漬け物であったかいご飯を食べられれば、それが一番、などと思っている自分に時に呆然とします。飲食店にしても月に一,二度いくMという店以外はほとんどいく気がしません。食べ物に気を使うのが極端に億劫になってきているようです。「これまでが喰いすぎ、常識的なレヴェルにもどっただけ」とカミさんの言葉ですが、ちょっぴり寂しい気もするこのごろです。
(あ)

これが定番のガッコとカラスミ

運がいいのか悪いのか

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 今年のお正月は雪、雨、晴れと天気がめまぐるしく変わるせいか、どこか落ち着かない毎日でした。そんななか、私は去年の暮れからパソコンが動かなくなったのに、片付けなければならない仕事を抱え困った正月を送りました。というのも代わりに使ったノートパソコンが、普段会社の経理に使っている機器で、経理データー以外に膨大な出版データーも入っているため、とても動作が遅いのです。家のパソコンは娘も女房も使うので私が使いっぱなしというわけにはいかず、そのため会社と家の往復でした。
 私が普段使っているノートパソコンは年末、マウスの動きが悪くなったためインストールCDでソフトウェアを入れようとしたところ、突然カーソルが動かなくなってしまい、使えなくなってしまいました。正月のためメーカーも休みで、電話サポートでの対応もしてもらえず、ようやく会社が始まった6日、電話で指示を受けながら対応に右往左往しました。結局リカバリーしなければならないということになり、リカバリー、再インストールと作業をしましたが、それでも直りません。結論は最終チェックでハードデスクの損傷が発見され、交換ということになりました。
 メーカーのサポーターで電話対応をしてくれた女性が、「お客さん、運がよかったですね。1月の10日まで1年の補償がききます。修理代は無料ですよ」とかなり上手な日本語で教えてくれました。相手の女性は崔(さい)と名乗っていたので、たぶん中国系の人でしょう。しかし、これを運がいいと言ってもらってもうれしくはありません。なにせ一度リカバリーしたため、バックアップを取っていなかった全てのデーターが失われてしまった後ですから。でも年の初めだし、ハードデスクは今までの20ギガから30ギガの容量にアップしてくれるそうだし、いろいろな問題が出てきていたのも全部直してくれるそうなので、喜ぶことにしました。10日ほどで直るというということなので、生まれ変わって帰ってくるパソコンを待ちましょう。
(鐙)

No.223

イチロー革命(早川書房)
R・ホワイティング

 早川書房の本は面白いものが多いが、翻訳モノにはときに羊頭狗肉ではないのか、と疑いたくなるものもまじっている。本書もカヴァーや帯文、帯裏の内容紹介まですべて「イチロー」のことだけで「祝メジャー年間最多安打記録樹立」といったコピーまで載っているが、じつはイチローについて書かれているのは全10章中3章ほどで後の7章はイチロー以外の日本人メジャーリーガーたちの話である。本のカヴァーをよく見るとサブタイトルに「日本人メジャー・リーガーとベースボール新時代」と付記されているから「羊頭狗肉」の批判は免れられるのかも知れないが、ネット書店で実物を見ずに買う側としては「いっぱい食わされた」と思っている人もいるかもしれない。筆者の名前は1977年の『菊とバット』でいちやく有名になったが、私はいまだ読んでいない。野球物から離れてはじめて書いた、戦後日本のヤミ社会を描いた『東京アンダーワールド』は読んだが、期待したほど面白くなかった。今回の本ものっけから、アメリカの出版者が金に糸目をつけず取材費を使うのを許してくれた、と豪語する割には新事実や驚くようなエピソードは出てこない。アメリカ人向けの本だから、この程度の日本認識でいい、ということでもないと思うのだが、少々残念だ。

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