Vol.369 07年10月6日 週刊あんばい一本勝負 No.366


まあ鬼の霍乱とでも言っておきましょう

10月がはじまったとたん風邪でダウン。といっても熱があるわけではない。のどがいがらっぽくコホンコホン咳が出る。それだけなのだが明らかに平常とは違う。食欲はあるが味がしない。少し動いただけで汗ばむ。身体がだるくて前向きな気力が出てこない……こんな時は市販の風邪薬や栄養剤を飲んで2日間も熟睡すれば治る、はずだったが、年なのだろうか、1週間たった今も状態は同じ。ポジティブな気持ちになれないのがつらいところだ。

週末楽しみにしていた太平山登山、翌日の筑紫森ハイキングは断念。無理しても行きたいところだが、今月は毎週山行が続く。早めに直して次回の山行に備えるほうが得策と判断。こんなにダラダラ不調が続くと、来週もダメなのでは、と不安になってしまう。それにしても週末の山行がなくなると、とたんにやることがなくなる。週刊で書いていた新聞連載が2つ終わり、秋のDM発送作業も終わったので、事務所で垂れ込めている理由はない。近場に一泊旅行でも、と思うが山に行くようになって、汗をかかない(苦しくない)旅はなんとなく不完全燃焼な気分で、行く気にならない。こまったものだ。国体競技でも見に行くかな。行くんならカヌーか陸上競技かな。

その秋田国体に招待された在南米秋田県人会の面々は3日には公式行事を終え、それぞれの親戚や友人との旧交を温めているようだ。サンパウロに行くたびに私も息子も世話になっているロベルトさん夫妻も五城目町の親戚のうちに二泊、秋田の最終日の今日は夕食を一緒にとるつもり。何にもしてやれなかったけど、秋田を楽しんでくれただろうか。
(あ)
国体期間中は毎日こんな好天気。よかった
近所のコンビニで一心不乱に座り読みする若い女。かなり気持ち悪かった

No.365

渾身(集英社)
川上健一

 青森の中学野球部で万年球拾いの「ぼく」がビートルズの曲と出あい、自転車で旅に出る……。この著者の『翼はいつまでも』はこれまで読んだ青春小説ではベスト3にはいる傑作だと今も信じている。その後、エッセイや最新作も読んでみたのだが、今ひとつこちらの琴線に響いてこない。今度こそは大丈夫だろうと本書を手に取ったのだが、……やっぱりダメだった。「翼はいつまでも」のイメージをそろそろ払拭しなければ読者としてはシンドイのかもしれない。本書もちょっと驚く小説なのはまちがいない。でも驚くのが作品内容ではなく、その小説の手法である。なにせ、ある村の相撲大会試合の描写が延々と8割以上占める、相撲小説なのである。白熱していく相撲試合と家族愛が平行して進行するのだが、とにかく土俵上の描写がほとんどで、相撲が嫌いな人ならばそれだけでアウト。舞台は南の地域の設定だが、さすがは青森県出身(相撲が盛ん)だけあって、著者自身相撲が好きなのは、よくわかる。それにしても、あまりに極端なスポーツ小説ではないか。こうした意外性のある小説が好きな人も入るだろうが、できれば相撲描写を半分以下に抑えて、その分、村の暮らしや家族生活を丹念に描いてくれれば、数倍感動的に読めるドラマに仕上がったのではないだろうか。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.365 9月8日号  ●vol.366 9月15日号  ●vol.367 9月22日号  ●vol.368 9月29日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ