Vol.437 09年1月31日 週刊あんばい一本勝負 No.432


いよいよ雪山ハイキングのシーズン到来!

18日(日)、25日(日)と2週続けてスノーハイクに出かけてきた。
18日は鳥海山のふもとにある中島台・獅子が鼻。真っ青な絵に描いたような好天だったが、ハイキングコースの入口まで除雪しておらず、しょっぱなから車を降りて5キロも歩くハメに。ラッセルは山スキーの人たちが受け持ってくれるが雪が重くてスノーシューもけっこうきつい。入口に着くころにはヘトヘトに疲れてしまう。大きなブナの木の下で昼食。本来の山中ハイク・コースを歩き始めたのだが、すぐに一人がようやく通れる幅の吊り橋。1メートル以上も雪が積もり手すりが雪地面より下になっている。こういうのは大の苦手、スノーシューを脱いで慎重に渡る。これで脚力をずいぶんとロス、歩き出すとケイレンがはじまり皆から遅れだす。どうにかだましだまし車のある場所まで戻って来れたが、本当に疲れた。修行が足りないなあ、と反省しきり。家に帰ったら風呂に入る余裕もなくバタンキュー。10時間熟睡。この日の参加者は5名だったが、後から聞くと他の人もかなりきついハイクだったようだ。なにせ重い雪を15キロも歩いたのだから、普通の道だって疲れるのが当たり前。
25日は森吉山スノーハイク。ゴンドラを使って樹氷コースから歩きはじめる。あいにくの雪で、山スキー組の跡を歩いていくのだが体重が重いせいか小生一人だけズブズブ埋まる。一歩一歩慎重に脚を抜きながら前に進むのだが、しまいには全身から湯気モウモウ。樹氷(アオモリトドマツ)の根元の穴に胸まで埋まったりしながら、ほうほうのていで避難小屋で昼食。そういえば去年もホワイトアウトで樹氷見学どころじゃなかったなあ。
降りるのは山スキーが圧倒的に有利だが、ゲレンデのスキー客を横目に黙々と歩いて降りてくるのも、キライではない。今回も深雪の新雪だったので、距離は短いのに、けっこう往生した。森吉の帰りは定番の「スナック憩」でまずくはない「十割そば」。温泉にも入って、充実した1日でした。
(あ)

No.432

東北――つくられた異境(中公新書)
葛西英通

この本、以前にも取り上げたことあったかも。週末山登りに行かない時、よく東北各地を泊りがけでフラリと訪ねるようになった。東北のいろんな地域を訪ねながら考えるのは、自分の生まれ育った秋田との差異や相似に関してだ。これが興味深い。歴史、民俗、自然、方言、暮らしぶりまで、「東北」という地域の成り立ちから勉強してみたい、と思ってテキストとして読み始めたのだが、再読なのにムチャクチャ面白い。初めて読んだ時、あまり意味のわからない(頭に入ってこない)部分も今回はスラスラと染み込んできた。前より読解力が上がったわけではなく、こちらの興味の的がひろがっているのだろう。鉛筆片手に線を引きながら読んだ。ページの半分が傍線で埋まってしまった。私にとって、重要で興味深い内容がぎっしり詰まった「宝の本」だ。ここに出てくる文献資料や、コラム風に書かれた東北各県図書館めぐりなんかを読んでいると、「この人にもっともっと別の角度からも東北を書いてもらいたい」と切望したくなる。編集者魂がそそられる本、といってもいいかもしれない。「東北」が差別や蔑称の対象として日本史に位置づけられる時代の考証は圧巻だ。まさに目からうろこが落ちる。

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