Vol.452 09年5月16日 週刊あんばい一本勝負 No.447


休むための基礎訓練は、絶対必要だ。

 すが1週間まるまる休んだ後の1週間はきつい。
特別何かあったわけではないが、けっこう仕事は溜まり来客も多い。

 刊行本は1冊だけ(『院内銀山史』)だけだが、原稿を書く仕事が重なった。精神的に追い詰められて原稿を書いたりできない小心タイプなので、あらかじめGW前に下書きは準備していたので、どうにか乗り切ることができた。締め切り直前まで、ウンウンうなりながら推敲するような芸当はとてもできない。

 その原稿のひとつが毎週連載している大館市のローカル紙「北鹿新聞」のコラム。それがちょうど100回目をむかえ終了。益体もない身辺雑記コラムだが、何を書いてもOKなので、楽しくて2年間一度の休みもなく、めでたくゴールインすることができた。

 そんなわけで、この1週間ほとんど外に出ることはなかった。のだが週末はちゃんと山に行っている。10日(日)は湯沢市の「幻の有屋峠歩き」で、黒森山まで登った。湯沢市の有志の方々と一緒で、ほとんど道なき道をやぶこぎするだけの「街道調査行」で、たまにはこんなストイックな山歩きも新鮮だった。16日は祓川コースから鳥海山なので、同じ週にきつい山を2度登る計算だ。この後はしばらく山の予定はないから、まいいか。

 夏のDM(ダイレクトメール)準備も今週の大きな仕事だった。新刊チラシを作ったり、愛読者向けの通信原稿を書かなければならない。これがけっこう手間がかかり、デザイナーや印刷所との打ち合わせも含めれば、正味1週間びっしりかかる大仕事。それもどうにかやっつけた。

 とういうことは来週からは山も仕事も一段落、ぐっとヒマになる予定。小旅行にでも行きたい気分だが、GWでまるまる1週間遊んだ身分としては、同じ月に2回も、という身内の批判が怖い。どこかに身を隠し、ずっと本でも読んでいたい気分だが、外に出ると暴飲暴食や睡眠不足で体調不良、といいう悪循環が待ち受けている。それへの漠たる不安もあり、いまひとつ踏みだせない。

 この頃、真剣に考えているのだが自分には「休むための基礎訓練」が決定的に欠けているのでは、ということで、本当に「何もない時間を楽しむ」ことがヘタ。「休む」のにも絶対にうまい下手が有るはずで、自分はどう考えてもヘタの部類に入るのはまちがいない。何とかならないものだろうか。 
(あ)

No.447

ライク・ア・ローリングストーン
(岩波書店)
今井聖

 サブタイトルに「俳句少年漂流記」とある。著者は1950年生まれだから、小生とほぼ同じ時代を生きた人。鳥取で生まれ、明治学院大学を卒業してから高校教師という経歴だ。経歴だけ見るとどこにでもいる全共闘世代の一人なのだが、本書を読むと、なるほど同じような紆余曲折を経て、ここまでたどり着いた同志のような親近感もある。特別に目立った行動や熱狂の時代の主人公(ヒーロー)にはならなかったのだが、こと俳句に関してだけは、もう完璧に同時代人から一頭地を抜いた屹立する存在感がある。俳句のことを知らない素人たちなら腰が引けてしまいそうな迫力がある。その批評眼もすばらしい。そうか、そんな風に俳句は読むのか、と何度も目を開かされたほどだ。といってもかたくるしい「論考」は開陳しているわけではない。恥多き青春時代の中に、ひっそりと大好きな俳句の世界の花を、大切に育み続けた真摯さが、本書の核になっている。それ以上のことは著者に関して不明である。ある日突然、自分の青春記が岩波書店から出る、というのも唐突だが、私たちの知らない背景があるのだろう。奥付を見ると句集はたくさん出版しているが単行本は初めてのようだ。「エイジアン・ブルー浮島丸サコン」という映画の脚本を書いている。教師をしながら脚本を書いている人なのだろうか。

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