Vol.488 10年2月20日 週刊あんばい一本勝負 No.482


近々「トメアス紀行」のHP連載をはじめます

長らくのご無沙汰です。
今週から通常通り、この週刊ニュースを再開します。

つい先日までブラジル・アマゾンを旅していました。
ブラジルそのものはもう8回目なのですが、定点観測していたアマゾンの「トメアス」という日本人移民の村は5回目。そろそろ「こちらも年だし定点観測も最後だな」という気持ちもあり、ヨッコラショ、という感じで重い腰を上げ雨季真っただ中の熱帯雨林をうろついてきました。
その顛末は、近々このHP上で「トメアス紀行」として連載をはじめますのでご笑覧ください。

実は5回目とは言っても、このトメアスを訪れたのは15年ぶりです。
前回は95年ですから、かなりの時間がたってしまいました。これ以上時間が離れてしまうと定点観測の意味がなくなってしまうのですが、幸い95年以降、何人もこの村から出稼ぎに来たり、そのまま日本に定住してしまった村人がたくさんいて、その人たちからは折を見て話を聴く作業を続けていました。
ですからそれほど焦っていたわけではないのですが、やっぱりノンフィクションは実際に現場に行って確かめないと「とんでもないウソを書いてしまう」ことになりかねません。今回も新たな発見だけでなく、思い込みによる事実誤認や誤解をたくさん発見、反省しきりでした。

それにしても、還暦になってから地球の反対側への一人旅は、いろんな困難が予想されました。が、驚くほどスムースにスケジュールを消化することが出来ました。1日フルに休んだのは2週間で1日だけ、です。これは4年前から本格的に始めた山歩きのおかげですね。体力、気力、健康、取材、いずれも何の問題ありませんでした。体力がついたことは言うに及ばず、例えば荷物のパッキングが上手になったこと、寒暖に対する衣類の備えができたこと、携帯トイレやヘッドランプ、小さく折りたためるダウンジャケットや30リットルのリュック、みんな思った以上に役立ちました。

それとこれは年の甲なのでしょうが、旅先で体調を壊す怖さを、やはり山歩きで身をもって体験してきました。そのためでしょうか、肉類や強い地酒は敬遠し、野菜サラダや果物中心の食生活を実践してきました。行く前より帰ってきたときのほうが胃袋が小さくなり体調が良かったほどです。何はともあれ「自制」がきくようになったということでしょうか。
(あ)

No.482

プール
(幻冬舎)
桜沢エリカ

 最近、漫画本を読むことが多くなった。といっても連載物の漫画雑誌を買ったりするわけではない。活字人間として、漫画はダメ、という偏見はきっちり残っている。読むのはほとんど話題になった単行本である。この「話題」というところも重要だ。この人が勧める漫画ならまちがいない、という「話題」でなければ信用しない。漫画も活字と同じように読み手の「熟練」が必要な世界である。いきなりスーッとその世界に入って行くのは容易くない世界だ。本書の場合は映画を観たのが先、という珍しいケース。「めがね」や「かもめ食堂」の続編でキャストもその前2作とほとんど同じだ。期待して映画館に足を運んだのだが、前2作に比べてインパクトが薄い。なぜだろ、前2作はあんなに面白かったのに、と思って原作を読んでみることにしたのだ。原作が漫画だったことは実は知らなかった。最近の映画(邦画)のかなりの原作は漫画であることも初めて知った。さらに脱線するが、最近の映画のスポンサーはほとんどテレビ局。ということは、たとえばTBSが映らない秋田では、TBSがスポンサーの映画は、ほとんど存在しないと同じ。映画はテレビ局の営業品目の一つになってしまったのだ。さて、原作漫画の印象だが、正直言って映画より面白かった。

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