Vol.497 10年4月17日 週刊あんばい一本勝負 No.491


「いつもと同じ」が一番

変わらずバタバタの日々だが、大きな峠は越した、かな(これからなにがあるかわからない)。
今月もうひとつの出版ラッシュが残っているが、それはピークがGW前だから、10日間ぐらいは余裕ができる計算だ。
余裕が出来ても、どこかへ旅行に行くとか、籠って原稿を書くとか、そんなことは考えていない。よく考えれば、2月に2週間も海外旅行でほっつき歩いているし、週末にはけっこうこまめに山歩きに抜け出している。おいしいものを食べたいとか、酔っぱらっていたいとか、読書三昧とか、仕事三昧とか、何かへ極端にベクトルが振れる傾向が、自分の中からすっかり影をひそめてしまったような気がする。

たとえば週末になると、以前はカミさんに「明日は何時に起きるの?」とよく訊かれた。週末は夜更かししたり寝溜めしたりする。だから午前中いっぱい寝ていることもあるのだ。今はそれもない。週末もいつもと変わらず定時に起きて、定時に朝ごはんを食べ、定時に事務所に出舎する。ここまでは普通のウイークディーとまったく変わらない。いや意識して同じスタイルを守っている。明日が休みだからといって寝溜めしたり夜更かしすると、翌日はてきめんに睡眠が浅くなり、生活リズムがくるって、けっきょく週明けに寝不足で、ヨレヨレで朝を迎えてしまう、といった経験を何回かして、「いつもと同じ」が一番ベターな選択とわかった。

山歩きのある週末は、緊張して早めに寝たり、晩酌を控えたり、入念に散歩とストレッチをして、体を「いつも以上に大切にケア」したりする。
実はこれも逆効果だった。必要以上に意識してしまうと緊張でいつものように眠られなくなる。いつもと違うことをすることで体内時計がくるい、妙に心身がすっきりと目覚めてしまい朝まで一睡もできない、ということが何回かあった。普通どおり、ちょっぴり早めに寝床に入るぐらいが、いいようだ。
(あ)

No.491

ブラジルのことがマンガで3時間でわかる本
(アスカ)
吉野亨

 「マンガで3時間シリーズ」としてインドやロシア、中国やアメリカ版も出ている。書名でお分かりのように即席で外国語をマスターできるアンチョコ本、と同じ類だろうと鼻で笑いながら読み始めた。ビジネスマンが急にブラジル出張を命じられ、出発前夜に読んで安心するビジネス本、とバカにしていたのである。こちらはブラジルに関してなら何度も渡航歴がある。文献史料の勉強もたっぷりしている。たまにはこんな本も息抜きでと小馬鹿にして読みだしたのだが、これが驚いた。面白い。いや書かれていることの八割が初めて知ることばかり。恥ずかしい。こちらのウイークポイントである政治や経済、歴史の基礎的事項までをきっちり押さえていて、わかりやすい。オレは今までこの国の何を観てきたんだろう、とがく然となったほど。著者は商社マンとして6年間ブラジル勤務をした。ブラジルの農業から政治課題、はては人気の化粧品まで、テーマに沿ってわかりやすく解説できる能力は、ただ者ではない。よほどこの国に入れ込み、覚悟を決め、徹底的に勉強しなければ、6年でこんな豊富な知識は蓄積できない。本書を読んで、自分に何が足らなかったのか、みえているようでみえないものは何か、痛いほどよくわかった。

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