Vol.508 10年7月3日 週刊あんばい一本勝負 No.502


外に出てリフレッシュしてます

このところ、ずっと出歩いている。長野・雨飾山に登るために3日間休みをとったのを皮切りに、3日後には「大人の休日切符1万2千円」を使って仙台・東京へも3日間(東京は人酔いしてしまい5時間ぐらいしか滞在しなかったが)。さらに帰ってきて2日後には横手泊。月が変わって7月、半夏生の田代岳に登った。さすが疲れがたまったか、この週末はボーっとした時間を過ごしている。

この2週間で事務所にいたのはわずか3,4日である。比較的なヒマな時だったから問題はないのだが、カミさんが友人と外国旅行に行ったので何をしても文句を言われない、というのがことのほか快適。カミさんが留守でもたいして困ることはない。家事も料理も好きだし、身辺雑事はふだんからほとんど自分でやっている。洗濯だけは苦手だったのだが、やってみるとけっこう楽しい。朝起きて天気がいいと、いの一番に、「何か洗わなければ」という強迫観念に駆られる、ほどはまってしまった。

月末には横手に泊まった。毎月十文字の居酒屋が主催する「そば打ち会」にでるためだ。もう3,4回、出ているのだが、参加者が各自が勝手にそばを打ち、それを勝手に食べる、というだけの会だが、主催者の居酒屋のオヤジがただものではない。そばの前に親父の旬の鍋料理が出る。これがうまい。今回は夏なので「ジュンサイキノコ鍋」。鍋の中に氷の浮かんだ涼しげなもので、出汁が効いて、めっぽううまい。狩人でもあるのでクマやシカにの肉もふんだんに供される。いまのところ、県内のどこの料理屋よりもこの居酒屋がお気に入り、なのだ。

半夏生の神事が山頂で行われる7月2日の田代岳もよかった。もう4,5回登っている好きな山なのだが、この日は特別。里の集落の人たちも年に一回、この日だけは田代岳の山頂まで登って汗をかく。だから登山道は富士山並の混雑だった(行ったことはないのですが)。天気予報は「雨時々雷」で、前日にとりやめた人も多かったようだが予想は大外れ。快晴のなか、気持ちい山行を楽しむことができた。来週はちゃんと仕事復帰しなきゃあなあ。
(あ)

No.502

限界集落
(日本経済新聞出版社)
曽根英二
限界集落とは住民の2人に1人以上が65歳以上の高齢者で、過疎を通りこし社会機能の維持・継続が限界状態にある集落をいう。社会学者の大野晃氏(現長野大学教授)が使いだした概念だ。07年、国土交通省の調査報告によれば、それに該当する集落は全国で7878、その3分の1がいずれ消滅する、という。該当集落数が最も多いのが中国地方だ。ついで九州、四国、東北と続く。本書の舞台は、その最も深刻な少子高齢化と過疎に悩む中国地方・岡山の村や四国・香川の小島。78歳の全盲の農民作家夫婦、孤立無援の戦いを続ける和牛育種家、都会から帰農しぶどう栽培に賭ける家族、産廃問題で揺れた瀬戸内海の小島の人々のその後……。こうした人たちの日常から著者は丹念に問題を掘り下げていく。団塊世代が退職の時期を迎え、あと20年もすれば超高齢化社会がやってくる。都市部の人間も限界集落と同じ問題を抱えこむことになる。特効薬はない。「等身大の意志で動き、自立すること。多様性を殺さない試み」を積み上げていくことにしか解決策はない、と著者は言う。(この文章は日本農業新聞の求めに応じて書いたものをリライトしたものです)

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.504 6月5日号  ●vol.505 6月12日号  ●vol.506 6月19日号  ●vol.507 6月26日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ