Vol.505 10年6月12日 週刊あんばい一本勝負 No.499


どうにもぱっとしない体調の日々

週初めにダウン。まったくどうしようもない1週間だった。何をしても身体の芯に熱が残っている感じで、思いっきり動けないのだ。かろうじて週末、山の会の親しいメンバーの「定例無意味飲み会」が中華料理屋であり、かろうじてそのときだけ積もり積もったストレスを思いっきり発散することができた。

体調を壊した原因は過労だと思うのだが、よくわからない。とにかく頭痛がして、そのうち身体が熱く重くなって、これはまずいと気がついて早々と丸1日ベッドにもぐりこんだ。これがよかったらしく、これ以上悪くならなかったのだが、それで体調が万全と言うわけにはいかず、いまだに身体の芯や頭の隅っこに熱とだるさが残っている。

仕事は忙しいようでヒマなようで、よくわからない状態が続いている。新たに取り組んでいる仕事はないのに、仕掛のものや終わったのにその事後処理に手間取っているものなど、やはり月に7冊もの本を出した後遺症が色濃く残っている。「忙しくはないが2,3日留守にされるのはマズイ」というニュアンスだろうか。1日ひとつだけ、わずか30分だが立ちあって決定しなければならない事項があれば、もうそれだけでどこにも行けず丸1日拘束されてしまうのだ。

ずっと事務所にいると不安や焦燥からは遠く離れられるが、やはり閉所恐怖症のような症状もあらわれる。そこで意識して、若い人たちが主催する「ipodに触る会」に参加してみたり、県立博物館に特別展示「境界に生きた人々―遺物でたどる北東北のあゆみ」を観に行ったり、毎日1本DVD映画を観たり、身近な太平山に登ったり……毎日のルーティン・ワークにアクセントを付けるため、いろんな努力をしているのだが、やはり体調が思わしくない時は何をしてもだめ、集中力がないのだ。

はやく体調を元に戻したいのだが、頭痛の原因はメガネにあるような気がしてきた。数ヶ月前、メガネを前と同じ度数にしてもらい新しくつくったのだが、このあたりから頭痛を覚えるようになった。何度か元に戻したり、慣れようと努力したのだが、メガネが安定しないために、今の症状が起きているのではないのか、と考えている。相談するには眼科医に行けばいいのだが、どうにも医者はおっくうだ。どうしたもんだろうか。陰鬱足る日々は続きそうだ。
(あ)

No.499

電子書籍の衝撃
(デスカヴァー携書)
佐々木俊尚
サブタイトルは「本はいかに崩壊し、いかに復活するか?」。聞いたことのない版元だが、「携書」て「ケータイ」の「携」のこと? つい先日、ITジャーナリストの著者のアジテーションにあおられたわけでもないが(影響はまちがいなく受けたが)、秋田市で若い人たちが主催する「ipadを触る会」に参加した。はじめて触ったこのデバイスの使い心地は思った以上によかった。無料の産経新聞や著作権切れした書籍を実際に読んでみたのだが、紙と何らそん色はない。いや紙よりも操作性はシンプルで読みやすい。「これなら買ってもいいな」というのが第一印象だった。ケータイ電話も持っていない時代遅れオヤジなのに、いきなりipadといのもすごい話だが、読書端末、新聞がわりとしてはお得なツールであるのはまちがいがない。情報が、出版社やテレビ局、新聞社に独占されていて過剰な富がもたらされていた時代のなごりにしがみつき、その時代に蓄積された富で飽食し惰眠を貪り、うつつを抜かしている間に、本のプラットフォームは土台から崩壊。もう守るべき「出版文化」などというのは幻想ですよ、と著者は言う。過激だが、確かに、と首肯するものを多く含んだ本なのは確かだ。

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