Vol.593 12年3月24日 | 週刊あんばい一本勝負 No.586 |
酒蔵・広告・冬のゴミ | |
3月17日 年に一度、友人と2人、県南の浅舞にある酒蔵にお邪魔する。できたばかりの自慢の酒を試飲させていただき、杜氏自らつくる数々の酒粕料理に舌鼓を打つ。地元の鍋倉太鼓の演奏付きなのだが、聴衆より演奏者が多いコンサートである。そういえば去年の余興は、蕎麦打ち職人が出前に出張してくれ、2人のために(だけ)蕎麦を打ってくれたっけ。なんともぜいたくで至福のひとときだが、こんなことを書くと各方面から怨嗟と怒りのメールをいただく。そのため書くのを控えてきた。ゴメンネ、うらやましいでしょ。 3月18日 前から気になっていたのだが、駅裏にある大きな駐車場(公営ではないと思うが)では、ほぼ絶対といっていいほど領収書を出さない。「領収書をください」といえば初めてレジから打ち出された2枚のうちの1枚を渡してくれる。「渡さない」ことを前提としている。これが釈然としない。そういえば秋田ではタクシーも同様だ。「領収書下さい」と言わない限り、領収書(これも機械打ちのただの紙)が出ることはない。大きな都市だと黙っていてもおつりと一緒に出てくるから、どちらが「常識」なのか、私にはよくわからない。先日、ここに書いたおかげでアウディの謎は解明した。また誰か教えて下さい、領収書の謎を。 3月19日 15日から毎日のように打ち続けた新聞広告も今日の岩手日報の一面全3段で一段落。それにしても今月だけで打った新聞広告費は……。つくづく出版は博打だ。売れるかどうか何の保証もない本にウン万円ものお金をマクドナルドのハンバーガーを買うように、深く考えることもなく無造作に打つ。そんな暮らしを長く続けたせいか、パチンコにも宝くじにまったく興味がない。あんなもん出版の世界では赤ちゃんプレーさ、なんてうそぶいている間に馬齢を重ね、もしかして宝くじのほうがよほど効率いいのでは、という疑念も浮かんでくる今日この頃である。パチンコもやってみようかな。 3月20日 もうここで何度も書いていることだが、同じようなテーマの原稿が、なぜか同じ時期に集中する傾向がある。たとえば県北地区の著者が何人も続いたり、酒の原稿が入れば似たようなテーマが3本4本と入ってくる。現在は動物だ。というかアウトドアか。クマの話、サルのこと、渓流釣りから伝説の登山家の伝記……といった具合。でもこれも錯覚の一種で、たまたま似ているテーマが集まった時期が強く印象付けられているだけなのかもしれない。でもなあ、40年近くこの仕事を続けていて、これだけはいつも不思議に思っていること。解明不可能だしね。流行り言葉でいえば「超常現象」ってやつですか。 3月22日 週2回の冬のゴミ出しはつらい。今日は雨。2個のゴミ袋に傘、手袋も必需品だ。無事に出し終え出舎。したのはいいが、なぜか自分の部屋のゴミを入れた手提げ袋を手に持っている。この袋には本来ペットボトルと読み終えた文庫本と電子辞書がはいっているはず……しまった、捨てる袋をまちがえた。急いで集荷場所に戻りゴミ袋を探す。目印は森永アイスの袋。これはある特定の場所でしか売っていない稀少商品だ。その袋を目印に探すと、すぐに見つかった。それにしても、いかに寝起きといっても、大チョンボだ。最近こんなことが多くなっている。老後が怖い。 3月23日 なんとなく仕事も一段落、外に遊びに行きたい気分。なのだが野山はともかく夜の巷に出ていくのは億劫で気後れがする。一人で外飲みするには勇気がいる年になってしまった。かといって事務所の一人酒もなあ……どっちつかずの気分をもてあそんでいたら、タイミング良く朝一番で東京のSさんから秋田に来ているという連絡。渡りに船って、ちょっと違うか。駅前のおしゃれな焼肉屋を予約。かくして昨夜はSさんとその弟さん、私の男3人のガハハハ・ノーテンキ宴会の開幕とあいなった。こんなにタイミング良く事が運ぶことって、なかなかない。すこしは運が向いてきたかな。 (あ)
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