Vol.702 14年5月10日 | 週刊あんばい一本勝負 No.695 |
なんだかバタバタして、2週連続日記になった | |
4月26日 今日は「山の学校」の開校式。その前にAさんと二人で学校近くの山門口から岩谷山登山。「ユフォーレ」で一風呂浴び、きれいさっぱり「山の学校」に向かうが、思いもかけぬトラブルで学校には入れず開校式は中止。昼に駅前アルベで、ある人と待ち合わせ。シェリー酒のような超レアものの日本酒古酒をいただく。Aさんは酒造業界でも名の通ったその道のプロ。その人が「こんなすごい酒を飲んだことがない」という超レアものだ。午後からは新屋で開催されている手づくり品市「もの×まちさんぽ展」に、若手芸術家たちの店を冷やかしてくる。友人の若い女性作家の陶器作品を1点購入。家に帰ってきらもう夕食の時間。 4月27日 恒例モモヒキース男鹿三山おやまかけ。真山、本山、毛無山の3つを一挙に踏破。走行距離11キロで歩行時間は約7時間。これだけ歩くと、アップダウンはたいしたことはなくても、けっこう足にくる。それでもたいした苦情が出なかったのは、意外にも「春の花」たちが咲き誇って歓迎してくれたせいか。シラネアオイが群生していたのには驚いた。山の花の女王といわれる花だ。男鹿は花の名所でもあったことを再認識。 4月28日 2日連続山行はきつい。右ひざが悲鳴を上げている。かなりハードな山に登った次の日は右ひざが痛むようになったのは1年ほど前から。時間が経つとよくなるから「故障」というほど大げさではない。でも「ふるきず」程度のインパクトはある。怪我ではないので治療法はない。これまでの経験からいえば原因はストレッチしないこと。運動前後のストレッチを本当にしなくなった。これが身体の細部に疲労を溜め、「痛み」を誘発する要因に間違いない、と思う。山にはせっせといくクセに、ストレッチは実に面倒くさい。この辺が自分の「甘ちゃん」的限界なのだろう。 4月29日 岩谷山、男鹿3山お山かけに続いて今日は鳥海山。初心者の女性たちもいるので7合目避難小屋までのトレーニング登山。5月18日には頂上を目ざす予定。久々の3時半起き5時出発。朝早いというだけで眠りが浅くなる。1時間ちょっと登ればいいだけの軽登山なので体力的心配はないのだが、早起きは相変わらず苦手だ。それにしても鳥海山はすごい快晴。まるで映像で観るヒマラヤの神々しい山々のように紺碧の空のなかで燦然と輝いていた。 4月30日 県内はいまが桜が満開、どこに行ってもきれいに咲き誇った姿を見ることができる。でも人が多く出るところに行くのはおっくうだ。山の桜は焦らずとも6月までいくらでも観ることができる。県内であまり知られず、人も少なく、とびきりきれいな桜の名所は……国際教養大のキャンパス桜並木だろう。これは「絶景」といっても過言ではない。今日はその大学隣にある中央公園に友人たちと花見に。眼下に秋田空港があり、飛行機の発着も酒のつまみにあう。この中央公園は飛行場や教養大がらみでしかなじみのない場所だが、ワラビやゼンマイといった山菜の宝庫でもあるらしい。食べる以外はまったく興味のない山菜だが、公園のいたるところに山菜とりの姿を見かけた。秋田の人たちは山菜の苦みを身体にとりこむことで身体が春の目覚めをするのだそうだ。 5月1日 少しずつだが体重が増えている。憂慮すべき事態だ。思い切って、というか思いあまって、「食べ過ぎ」と思った次の日は夕食を抜くことに。朝起きて寝間着から洋服に着替える時、するりとズボンがはけないと1日気分が悪いし、体重計に乗るのが苦痛になる。でも晩酌付き夕食は1日の最高の愉しみ。これを犠牲にして対価(ダイエット効果)が小さければ、そのショックも大きい。で、ここ10日ほどの間に3回、夕食を抜いてみた。昨日も花見宴会のカロリーを落とすため夕食抜き。これがおもったほど空腹感はない。なによりも朝の目覚めと朝食がメチャうまい。あいかわらず昼はリンゴとカンテンだが月に2,3度は夕食抜きというのもアリだなあ。 5月2日 2日間連続で散歩をしていない。雨もあるが野球中継を観てしまい外に出るのがおっくうになった。くわえて山行回数がGW中は3日に一度のハイ・ペースに。山の合間に散歩も、ということになると古傷の右ひざが痛みだす。そんなあれこれで少し身体を休めたい。数えてみたら4月の山行は6回。これはかなりの頻度だ。山に行けるぐらいだから体調はいいのだが、知らず知らず疲労も蓄積されている。熟睡できるし、食欲も満点パパ。宴席もお少なくない。こんな時に身体の細部に毒牙は宿る。好調の時こそ要注意だ。いいことが続けば、必ず反動がある。人生の禍福はあざなえる縄のごとし。 5月3日 大仙市の山グループが毎年開催している姫神、伊豆、神宮寺嶽の「大曲西山縦走登山」に参加。気分はモモヒキーズを離れた武者修行といったところか。数年前も参加したのだが、これがきつかった。どのくらいきついかというと太平山旭又コースの1・5倍ぐらい。アップダウンが多く急峻な登りも少なくない。三山の縦走なので下りが多いのだが、これがかなり体力を消耗させる。登るだけなら慣れるとそう苦痛ではない。ダラダラと続く下りが体力を奪い怪我の要因になる。登山のテクニックというのは「下る技術」だ。最近、この下りで爪先が靴にあたって痛い。靴ひもの指側をゆるめると楽になるよ、と友人からアドバイスされ、今回試した。あらあら本当に爪先が楽。靴が合わない、というのはよく聞くが、おあわてて買い替えたりする愚を犯さずに済んだ。 5月4日 人並みにコンビニに行くようになった(昔は嫌いで行かなかった)。近所にローソンがあるので利用しているのだが、ほぼ郵便ポストがわり。おにぎりや生鮮食品を買うこともあるが、やっぱりなんだか美味しくない。けっきょくスーパーに足が向いてしまう。ところが最近、ちょっと遠いところにできたセブン&イレブンに行くと、食料関係のラインナップが充実いることに気がついた。比べたことなどなかったから知らなかったのだ。山に行くときのおにぎりや家飲みの酒のツマミはもっぱらセブンを使うようになった。特に好きなのが「塩おにぎり」。これが美味しい。コンビニで使用頻度の高い商品はおにぎりだ。そのおにぎりがうまくないのが問題だったのだが、塩おにぎりの登場で、ちょっとコンビニを見直している。 5月5日 GWは本当に山三昧だ。岩谷山、男鹿三山、大曲西山三山に今日は横手・山内村にある南郷岳。さすがにこの頻度は疲れる(笑)。この一週間に4度山行し、登った山は8座。疲れるけど充実感も。事務所を離れ、仕事を頭から追い払い、雪と緑と山菜と汗と荒い呼吸のなかに身を沈めるのはこのうえない快感。で先日、若い看護師(女性)と一緒に山に登ったら、「あまり健脚だとボケたら徘徊老人になります」と言われた。ショック。実際に彼女の病院の医者が言っていたそうだ。頭も身体も同時に老いて行くのが「自然」だそうだ。 5月6日 ヘンな夢を見た。鍋に火をつけたまま外出。電話で家に連絡しようとするがケータイもお金もない。そこで学校の職員室に行き、昔の担任の先生に電話代を借りようとするのだが、先生はいくら探しても見つからない。気持は焦るが時間はどんどん過ぎていく……というもの。この「火をつけたままの鍋」は実際に去年あった出来事だ。それがかなりトラウマになっているのだろうか。山行が続いているので夜は熟睡できるが、朝起きると、なんだかまだ寝足らない気分も続いている。一度でいいから12時間以上爆睡してみたいとも思うが、そうなるとリズムが狂って、夜眠られなくなったりする。難しいところだ。 5月7日 明日から3日ほど事務所を留守にする。新入社員一人になるわけだが、これもいい経験。入社して1か月、この10日が初給料日。月日がたつのは早い。この間、受注管理や経理、掃除から本の扱い方まで基本中の基本を叩きこんできた。基本をマスターするにはもう数カ月はかかりそうだ。電話応対や接客、服装やマナー、言葉遣いから生活の在り方まで、なんだか教師になったような心持で、こちらの1ヶ月間もあっという間に過ぎてしまった。初給料ではメシをおごってもらう約束だが、その約束もこちらが無理やりにとりつけたもの。とても本人からそんな申し出をする余裕はない。HPで新入社員コラム「仕事場の花」を書かせているが、今月からは「1本勝負」の書評も月に1,2本は書いてもらう予定。早く戦力になってほしい。 5月8日 今日から仙台と東京へ出張。去年と同じく私立大学でお話をしてくる仕事。残りは1週間遅れのGWである。ほんとうのGWも、山行できちんと遊んだくせにといわれそうだが、たまには秋田を離れて休まないとね。このごろハードな日程(山も含めて)をこなしていると腰が痛くなるようになった。デスクワークが多い仕事なので、若いころから長時間使用する「椅子」だけはけっこういいものを使うようにしてきた。そのおかげで腰痛とは無縁と信じていたのだが、ここにきて「腰」が重大課題になってしまった。ショックだ。しばらく散歩や山行を控えるとよくなりそうな気もするが、散歩も山も重要な生きるための「仕事」だ。悩ましいところだ。 5月9日 仙台からその日のうちに東京に移動。夜はいつもの東京九段下のホテル泊。次の日はゆっくり朝寝をして、昼は出版クラブで地方小のKさんと食事。午後からは新幹線で京都へ。ひとつ用事を済ませ、ホテルにチェックインするも、ネット予約がうまく取れておらず、ひと悶着。夜は知り合いの京大・百万遍そばの料理屋さんでウイスキーをかなり呑んでしまった。新幹線のなかで読観はじめた『イベリコ豚を買いに』が面白くて読了。旅は貴重な読書タイムだ。帰りの新幹線では『犬のお伊勢参り』を読むつもり。本があれば長時間の電車移動も苦にならない。 5月10日 朝から新幹線で帰省開始。いきなり新幹線に遅れが出て、「こまち」と「のぞみ」の乗り継ぎの時間があわないことが判明。切符を取り直す。車中はずっと『犬のお伊勢参り』を読む。JR西日本では各駅に昔のように車掌が切符を確認にくる。禁煙もそれほど厳しくなく、まだちゃんと喫煙車両があった。それがJR東日本区間になると、切符確認はないし、禁煙はもう常識で有無もない。このへんの違いが面白い。6時間以上、電車に揺られて秋田着。 (あ)
|
●vol.698 4月5日号 | ●vol.699 4月12日号 | ●vol.700 4月19日号 | ●vol.701 4月28日号 |