Vol.948 19年2月16日 週刊あんばい一本勝負 No.940


渡り・再診・スノーハイク

2月9日 空で鳥の声がかまびすしい。仰ぎ見ると白鳥の大群でV字飛行中。その数はゆうに100羽をこす。しばらく空を見上げていたのだが次から次へとV字飛行隊がやってくる。渡り鳥はいきなりシベリアから飛んでくるわけではない。北海道や青森、能代あたりで十分に羽を休めながら南下してくるのだそうだ。そういえば最近、TVのローカルニュースで、「渡り」をする「ミヤマカラス」の存在をはじめて知った。このミヤマカラス、大群で電線に留まっている。ヒッチコックの映画を思いだしてビビるが人間のゴミをあさったりはしない。3月になればおとなしくシベリア方面に帰っていくのだそうだ。

2月10日 今日は大滝山自然公園一周スノーハイク。山頂は208メートルと低いが、けっこうな急坂もあるし、スノーシューで登りにくい階段も多い。ひとまわりすると約三時間半。用水地の周りをまわるのだが雪の状態はいいし思ったほど寒くもなく、ときおり青空が顔を見せ、雪山は気分がいい。特にこのコースは県内でもピカ一のスノーハイク・コースだと思う。夏場はクマやスズメバチ、ヒルにマムシのメッカで、頼まれても行きたくないが冬場は別格だ。

2月11日 秋田大学生協にラーメンを食べにいったら食券売り場のおばさんがいなくなりコピー機のような無人食券機。ロボットのような未来的マシーンで、一瞬たじろいでしまった。そういえば先日泊まった東京のホテルもフロントに誰もいなくて機械相手にチェックインする仕組みになっていた。ここは常宿なので、ついにお前もか、という気分だ。近所のスーパーもレジでのお金の受け渡しはなし。会計は自動支払機だ。無用の混乱を避けるために(他者に迷惑をかけないように)スマホを持つようにしたが、できれば使いたくない。ゆるやかに時代にのみこまれていくしかないのか。

2月12日 人間ドックでダメ出しえた再診。朝一番で受付したのだが、内視鏡検査は10時近くになり、待つ時間が辛い。胃カメラを鼻から入れてもらう予定だったが、うまくいかず(鼻の穴が小さい)、急きょ口から入れる波乱含みのスタート。カメラを操作するのは若い医師(技師?)で不安だったが映像チェックしているのはベテラン女性医師のようだ。二度ほどエズキそうになったが何とかこらえて無事終了。判定は「大きな問題なし。慢性胃炎なのでピロリどうします?」というもの。「はい、退治してください」と返事したが、会計を済ませると、あとは病院に来る必要もないし薬の処方もナシ、と言われる。えっ、薬やピロリ菌退治は他の病院でやるの。

2月13日 朝からいろいろ考え事をしていて、このコーナーを書くのを忘れていた。まあ書くこともないのだが。自分の身体でちょっと気になるところがあり、その原因を考えていた。午後から駅ナカ一時間コヒータイム付き散歩に出かけ、帰ってきて書いていないことに気が付いた。備忘録のようなメモ日誌なので、書かないとなんとなく気分が悪い。歯磨きや洗顔と同じ行為で、やらなければなんとなく落ち着かない。

2月14日 2010年の事件だから、もう10年近く前になる。弁護士の津谷祐貴さんが自宅に侵入した男に殺された事件の高裁判決が出た。遺族が犯人だけでなく警察の失態を訴え賠償を求めていたのだが、高裁は「警察の失態」を認める判決。殺された津谷弁護士は無明舎の法律的な問題のすべてを相談していた方で、生前は何かとお世話になった。県側は上告をしてくる可能性もあるが、まずはとりあえずホッとした、というところ。これはある人から聞いた話だが、県内で県を訴えるような訴訟を起こすと同じ県内で禄をはむ弁護士の中には「県ににらまれると仕事しにくくなる」と弁護を引き受けない人もいるのだそうだ。これが本当なら由々しき問題だが、今回の津谷さんの弁護団もほぼ県外の弁護士だったような印象だが、そのへんはどうなのだろう。津谷さんも生きていれば65歳。この判決は天国で喜んでいるだろうな。

2月15日 金曜日だが週末は休みが取れないので今日、モモヒキーズの有志と男鹿の寒風山をスノーハイキング。今使っているスノーシューは15年目でもうボロボロなので、これが最後のご奉公になるかも。当時は3万円もしたハイスペック・ツールだが、おもいのほか需要が大きく(冬山が大好きになったため)雪が降ると毎週のように出番がある。お世辞にも丁寧に扱ってきたとは言えないが、15年も飽かずに使っているのだから愛着はひとしお。不具合は応急処置して何とか今年の冬はこの道具でのりこえたい。山のザックも同じく15年目だ。こちらはどこにも異常はなく、いまだ健在だ。
(あ)

No.940

理系のネタ全書
(青春出版社)
話題の達人倶楽部編

 このところ「便所本」はずっと本書を置きっぱなしだ。池内紀センセイはここから便所で読む本を「置き本」と命名している。本書がトイレにあるので朝トイレに入るのが楽しくなった。それにしても380ページの大著で値段は1000円(!)だ。このボリュームでこの値段は信じられないが、もともと「面白いほどわかる算数と理科―大人の1週間レッスン」というタイトルで2011年に出た本だった。あの駅ナカ書店などで平積みされている雑学の「裏ワザ」や「謎大全」といったジャンルの本だったのだ。宇宙の小ネタ話やヒトの神秘、モノのメカニズムなどが分かりやすく解説されている。文系アホ人間には目からうろこのお話が満載だ。理系の基礎知識がない分、わかりやすいとすぐに感動してしまのも問題だが、本書には「紙の大きさ」の由来についても書かれていた。紙の大きさにはA判とB判がある。A判はドイツの工業規格がもとになったもので、B判は江戸時代に流通していた美濃紙(幕府の公用紙)に基づいた純日本生まれ。でありながらどちらの紙判の縦横比率は一対√2である。これは知らなかった。

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