中華人民共和国
シルクロード
 1995年7月、中国甘粛省蘭州市の招きにより日中友好文化交流事業の、シルクロード撮影隊(4人)の一員として中国甘粛省は蘭州市へ行ってきた。
 甘粛省は、中国のほぼ中央に位置し、北に内蒙古と隣接し、南は四川省に接する。さらに遠くにヒマラヤの峰々を連ね、西へのびる砂漠の道は西のシルクロードへとつながる。
 雄大な自然は、大草原・黄土地帯・砂漠等の変化に富み、砂漠地帯では年間雨量約40ミリ前後と少なく寒暖の差が激しい。
 カメラを通してシルクロードの民族のルーツを訪ねる今回の旅は、蘭州市を中心に黄河西部の石林、丙霊寺石窟、そして中国四大仏教寺院の一つラプロウジ寺を訪ねたく。チベット仏教ラマ仏教の寺院であるラプロウジ寺では年一回の夏の祭典に遭遇する幸運に恵まれた。中国各地から幾十日も歩き続けてやって来た数人の信者たちは、40度を越す灼熱をものともせず、祭りのクライマックスを迎えていた。
 旅の後半は砂漠のオアシスの街敦煌へ。敦煌は、かつての「沙州」とも言い、東西の文化が行き交う中国のシルクロードの中心地である。近くに莫高窟、西千仏堂、陽関などがあり、古くは紀元前まで遡る歴史をもつ史跡が数多い。長い時間をかけて大自然が創り出した奇観・鳴砂山、ゴビ砂漠の一角をなす工大な砂漠の景観、今なお砂漠で羊を追う遊牧民やオワシスのある村の沿道で商いをしながらシルクを紡老女や果物を売る少女、そこには昔ながらの時間がゆっくりと流れているようであった。
 1998年7月、再び日中文化交流事業訪中団の一員として湖北省、四川省に跨る長江三峡クリーズの船旅に参加した。名勝、旧跡、風俗文化を訪ねて、全長201キロを船で下った。南京市では「子供版画作品展」を日本交流事業として開催し、私の「日本ふるさとの四季」写真展も同時に開催していただいた。


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