カザフスタン・キルギス
天山山脈
 2001年7月、日本山岳会の仲間と中央アジアの中心地、カザフスタン・キルギスへ。
 成田空港→韓国ソウル経由→カザフスタン、アルマテイ空港と約10時間の空旅であった。カザフスタンは旧ソ連領で人口約1600万人、面積は日本の約8倍である。1991年ソ連崩壊後カザフスタン共和国として独立、シルクロードのほぼ中心地でもある。
 アルマテイは、カザフスタン最大の都市、数々の遊牧民が活躍した歴史の街である。また、シルクロードのオワシスとして栄え、東西の様々な文化が行き交い、花開いた街でもある。人口は約120万人、緯度は40度日本のほぼ札幌と同じ、市街地南方には白銀を頂いた4000m級の美しい山々が眺められた。
 テンシャン、第一キャンプのあるカルカラは、アルマテイからバスで約8時間、砂漠の悪路をひた走り、途中ミニ・グランドキャニオンと言われるチャリン、キャニオン峡谷に遊んだ。途中幾度かキルギス国境を通過するためパスポートチェックがあり、緊張が走る。ベースキャンプのあるカルカラは、テンシャンの主峰、ハン テングリ山(7010m)等の登山ベースキャンプになっている。近くには遊牧民(原住民)の居留地などがあり、パオ(遊牧民の天幕)と云われる住家があり、馬車や、馬にのった少年たちをよく見かけられた。私たちは、暫くここに滞在し高度順応トレッキングのため3000m級の山々を登り高所キャンプに備えた。本格的な登山隊は、この第一ベースキャンプを起点に数10日数ヶ月を高度順応しながら歩きポベータ峰BCへ。私たちは日程の都合上ヘリコプターフライトにより一気に登ることになる。
 目標のテンシャン最高峰ポベータ峰(7439m)を展望できる南イニルチェック氷河のベースキャンプ(4200m)へチャーターヘリによりフライト。まさにそこは真夏と云うのに雪と氷河の別世界である。世界でもっとも北に位置する7000m級の山々を至近距離から一望できる、まことに贅沢なロケーションであったが、一気に高度を上げたため高度障害に悩まされた。
 3日後、ポベータBCから再びカルカラベースキャンプに戻り、終日チャール、クドウ峡谷にカザフ族、遊牧民居留地を訪ね交流した。パオ(天幕の住居)の中で馬乳酒などの接待を受け翌日カルカラキャンプを後にされその翌日、再びアルマテイへ。市内観光のあと第二次世界大戦により旧ソ連に抑留され日本人捕虜として強制労働に従事して異国の地に眠る日本人墓地を訪問した。粗悪な環境に佇む日本人墓地に花を添えて一同合掌、感涙。  ハンテングリ・マウンテンサービス社のご厚意により、北イニルチェック氷河にフライト、写真撮影に協力頂いたことを感謝したい。


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