Vol.115 02年11月9日号 週刊あんばい一本勝負 No.112


雨、雨、雨の毎日です

 寝る前にでたらめな英語日記を書くようになって2ヶ月がたちます。奇跡的にまだ続いているのですが、その天気を書く欄がこの一ヶ月ほとんど「Rain」とか「Rainy」ばかり。夜の散歩は雨が降っていると行けないのですが、8時前後はほとんど小雨の状態なので、なんとか無理をして散歩は続けています。しかし、こんなに毎日雨が降っている年というのも小生の記憶にはありません。実をいうと天気にはほとんど関心がなかったのですが、日記と散歩のせいでイヤでも気になるようになってしまいました。

毎日がこんな空模様
 2ヶ月ほど前は「初秋の雨は情緒があっていいなあ」などとほざいていたのですが、こうも毎日続くと「早く雪になってくれ」と空に向かって叫びたくなります。10月の「月間新刊最高記録11冊」のあとで仕事場には少々ケダルイ雰囲気が漂っていますが、まだまだ注文発送が多く、気の抜ける状態ではありません。それでも忙しさの山はこえました。外に遊びに出かけたい私たちを「いいから机の前で仕事をしてなさい」と無言で雨はいさめているのでしょうか。いったいいつになれば外に出れるの?
(あ)

軽トラックが数珠繋ぎ

 この前の日曜日の朝、『奥州街道』や『とうほく道の駅ガイドブック』の取材で仙台方面に行くため秋田自動車道に乗りました。普段、日曜の朝はガラガラですが、この日はちょっと様子が違っていて、横手方面に向かう車で高速道がかなり混雑しているのです。運転しながらいったいなぜ混んでいるのか分からず、結構考えてしまいました。お茶を買うため西仙北サービスエリアに入ると駐車場が半分くらい車で埋まっていて、中でも目を引くのは軽トラックの多さです。ここでようやく気が付きました。横手で開かれている「種苗交換会」に向かう人たちの列だったのです。サービスエリアの中はタバコの煙と大声と笑い声で異様な盛り上がりでした。1年に一度、全県から農家が集まるお祭りに興奮している様が見て取れます。その先の大曲インターからはさらに車が増え、もう数珠繋ぎ状態です。こんなことは盆暮れの帰省シーズンにも見ることは出来ません。せいぜい大曲の花火大会から観客がいっせいに帰るときぐらいでしょう。しかも軽トラックがかなりを占めて います。「ああ面白い光景だなあ」と思っても1人で運転しているため、写真を撮れないことが残念でなりませんでした。会場になっている横手インターを過ぎると車はぱったりといなくなり、いつもの静かな秋田自動車道に戻ってしまいました。
(鐙)

パン屋で1億円!

 制度がスタートした平成5年は全国で103カ所でしたが、いまは、全国で701カ所、東北で104カ所ある道の駅。「道の駅の活用」をめぐるフォーラムが先日、秋田県の東由利町で行われ、宮城県岩出山町長から仰天の売字が公表されました。
 岩出山町の道の駅(「あ・ら・伊達な道の駅」)は、昨年5月開業ですが1年間の売上が5億8千万円、立ち寄るお客さんはなんと180万人(岩出山町の人口は1万4千人)だそうです。いずれも、東北一の数字です。驚きはテナントとして入っている若い奥さん二人が経営するパン屋さん。まったくの素人が6カ月の準備期間だけで開いた店なのに、1年で1億円近い売上げというのはミステリーです。
 謎解きに一度、岩出山町の道の駅に出かけてみませんか。
(七)

驚異のパン屋さん

今週出会った花

 先日、取材でお邪魔した店に面白い活け花がありました。花というより野菜です。リンゴ形のガラスの花器にあるのはサツマイモ。ツルが細い管(リンゴの茎にあたる部分)を通って長く伸びていることから、この状態に活けられてから何日も経っていることが予想できます。部屋の隅に何気なく置いてあったこのサツマイモが和風の店内にマッチしていたので、つい写真を撮ってしまいました。最近見かけたお洒落なインテリアの中ではピカイチのアイデアなので、絶対に真似しようと思っています。
(富)

No.112

ぷちナショナリズム症候群(中公新書ラクレ)
香山リカ

 つい最近、首都圏のある障害を持った男性から、ワールドカップ観戦のスポーツ批評のような原稿を書いたので出版してほしい、というオファーがあった。自分の障害のことや生きがいであるサッカー観戦についてあふれるような情熱でメールを送って寄越したが、正直なところ私にはほとんど興味がない。いや、ワールドカップを神聖化したり熱狂するマスコミや日本人の若者たちに違和感というよりも嫌悪すら感じている一人といっていいかもしれない。だから原稿は断ったのだが、ワールドカップに関する原稿だから誰でも興味があるだろうという前提はどこから来たものなのだろうか。もちろんあのサポーターという連中も大嫌いで下手でも自分でボールをけっているほうがずっといいと私は思っている。まあそんなわけでW杯サッカーに愛国心を謳歌する若者たちに「ぷちナショナリズム(愛国ごっこ)」という言葉をあてはめた著者の時代感覚は見事だが、内容の歯切れはいまいち、である。最後にナンシー関の予言(W杯の若者に生理的な気持ち悪さ不気味さを感じる)で締めなければならなかったのも、そのことをよくあらわしている。

このページの初めに戻る↑


backnumber
●vol.111 10月12日号  ●vol.112 10月19日号  ●vol.113 10月26日号  ●vol.114 11月2日号 
上記以前の号はアドレス欄のURLの数字部分を直接ご変更下さい。

Topへ