Vol.118 02年11月30日号 週刊あんばい一本勝負 No.115


ソウルへ地産地消ツァー

 最近一般的になってきた言葉で「地産地消」という言葉があります。流行語のようになったスローフードと似たような意味合いで、地域で産したものをその地域で消費する、といでも言えばよいでしょうか。7年前、秋田県農業短大の谷口先生を中心に「地産地消を進める会」という団体を作りました。現在会員が150名ほどいますが、その会員21人で韓国の農村見学に行ってきました。大半は秋田空港から仁川空港に飛びましたが、チケットが取れなかった私を含めた4名は仙台空港からのフライトでした。3泊4日の日程で、ソウル最大の野菜、果物、魚介類の仲卸市場や、ソウル郊外にある水源の農村地帯などを見学してきました。ソウル大学で野菜などの栄養学を研究している金さんという若き女性研究者や、すごい田舎の農村出身で日本に留学していたというガイドの金さんなどから、韓国の野菜事情などを教えてもらいました。
 ソウルといえば赤くて辛い食の国。当然ながらそちらのほうや、東大門、南大門などの市場徘徊も楽しんできました。詳しくは後日掲載します「コリアン地産地消レポート」をお読みください。
(鐙)

会員たちは田んぼに入ると興奮
して韓国の稲わらを手にしていた

地産地消と似た言葉「身土不
二」が書かれた韓国のミカン箱

『北前船』ベストテンで第1位

 日曜日の朝、何気なくNHK・BS2の「週間ブックレビュー」を見ていました。俳優の児玉清などがキャスターを担当し、週代わりに作家や大学教授などのゲストが3人出て「お奨めの1冊」とかをやる一時間弱の番組です。コーヒーを飲みながらぼやっと見ていると最後に「今週のベストテン」というのが始まりました。しかしあまり一般的な本は並ばず岡山の吉備人出版「岡山の山城を歩く」や福島の本などが出てきます。どうも地方出版物のベストテンのようです。順位を10番から始め、最後に1番の本が画面一杯に大写しされびっくりしました。無明舎の『北前船』ではありませんか。はっきり説明しないのでどこで出したベストテンデーターなのかは分かりませんが、おそらく全国の地方出版物を流通させる、地方小出版流通センターのデータ―ではないかと思われます。なんにしろ全国で1番というのは、おめでたいことに代わりがありませんから一人コーヒーで乾杯しました。
 この話しにはおまけがあります。この週間ニュースでテレビ画面を紹介しようと、再放送の録画を社内の者に頼みました。ソウルから帰ってくると「ごめん。録画したけど肝心のベストテンだけ写ってなかった」。がっかりです。そのため写真はありません。
(鐙)

あふれるお宝

 先週書いた「秋田大橋の関係写真」捜しはまだ続いていますが、やっぱり見つけられませんでした。無明舎所蔵の写真は事務所の資料庫、倉庫2ヵ所で保管してきましたが、そこからもあふれ出る状態で、ついにはご覧のように事務所2階の舎長室の戸棚も占拠するような有様です。このあとはどこに保管すればいいのでしょう。
 だから、写真捜しをする時はいつも「電子データで管理するべき」と思うのですが、膨大な数の写真を目の前にして、それは簡単にあきらめてきました。データ入力にかかる時間と費用を考えてしまうからです。コンピュータ管理すれば、写真の利用価値が何倍にも上がるのはわかっているのに、ここでもクヤシイ思いをしています。
(七)

ついに舎長室の戸棚に
も保存写真がびっしり

今週の花

 今週の花は赤いカーネーション、黄色いガーベラ、ソリダゴ、オーニソガラム。
 カーネーション、ガーベラ、ソリダゴ(セイタカアワダチソウ)はすっかり顔馴染みです。花束などでよく目にするオーニソガラムは和名がオオアマナ(大甘菜)。日本に自生するアマナに似ていることからついた名前のようです。白い小さな花がピラミッド状に下から順番に咲いていきます。ガーベラは花持ちが悪く、暖房の効いた部屋ではすぐ弱ってしまいますが、オーニソガラムは花持ちがいいことで知られているようなので、今回は安心しています。
(富)

No.115

世間にマジギレ!!(マガジンハウス)
テリー伊藤

 日常生活の中では若者たちと接することはほとんどない。息子は東京で一人暮らしをしているから若者の考え方や暮らしをまじかに見る機会がないのだ。なのに最近なぜか若者たちの動向や生き方に関心がある。関心というよりは危惧だ。やはり50を過ぎて「老婆心」が心もたげてきたのだろうか。新聞で映画監督の森達也が「駅構内でウンコ座りでタバコを吸う高校生」のことを書いていた。「自分もタバコは吸ったが後ろめたさがあった。今の若者にそれはない。こうしたあからさまな現象が大人も含めて社会化している」という趣旨だったが同じような感じを私も持っていた。彼らはたぶん一生アジアの下層労働者として生きるしかない。そのことを自覚していれば何をしてもいいのでは、と近隣諸国の経済発展や若者たちの勤勉ぶりを見て、差別的なことを考えてしまうのだが、問題は彼らには未来への想像力というものがほとんどないということだろう。本書では「世間」というよりもそうした「若者」へのメッセージがいっぱいで面白く読めた。が肝心の若者たちはこの本を買おうともしないだろう。この現実のほうがより深刻である。

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