Vol.120 02年12月14日号 週刊あんばい一本勝負 No.117


忘年会の2本の酒

 今年の忘年会はいつものように「和食みなみ」。行き慣れた場所なので予算も料理のことも伝えていなかったのだが、まあ出てくるわ出てくるわ、キンキやババガレイといった高級魚がずらり。メンバーは舎員のみで、袋小路に入った仕事を抱えているせいかバカ騒ぎはなかったものの、久しぶりの舎内宴会である。今年の忘年会の目玉は二本の酒。一本は「天の戸」杜氏・森谷さんからいただいた「五風十雨」という日本酒。月に五日風が吹き、十日雨が降るのが作物(たぶん米)にとってもっともいい環境という意味らしい。もう一本は芋焼酎の銘酒「伊佐美」。これは御野場の「和食おがた」の主人からいただいたものである。どちらもその道のプロたちからいただいた酒での忘年会だったわけである。どちらもうっとりするほどおいしかったのはいうまでもないが、昔に比べて高齢化しつつある舎員の胃袋は年々小さくなっているのは事実。
(あ)

これが2本の酒

安さ一番インターネット電話

 自宅のパソコンでインターネット電話ができるように接続しました。娘が昨年一年間オーストラリアに交換留学で行っていましたが、安く国際電話をかけることができるよう「コールバック」というアメリカの電話会社に接続していました。確か1分間30円ぐらいでオーストラリアと通話できたと記憶していますが、最近インターネット電話の普及でその会社の経営が悪いらしく、電話の繋がりが悪くてうまく使うことができませんでした。自分や家族が外国に行ったときや海外にいる友人、娘のところに遊びに来る留学生などのことを考え、代わりになる安い国際電話が必要でした。そこでこのようなことに詳しい知り合いからアドバイスを受け、Yahoo!のBBフォンに加盟したものです。BBフォンを選んだ理由は、今のところここが1番音質が良いと聞いたためです。
 BBフォンはコールバックよりさらに安く、国内とアメリカ本土は1分間2円50銭、イギリス、フランス、オーストラリアなどが1分間23円。さらにBBフォン同士なら世界中無料という優れものです。月額390円の基本料金がかかり、通話に0.2秒くらいのタイムラグがありますが、音質は申し分ありません。自分のパスワードを使えばBBフォンをインストールしているどのパソコンからでもかけられますので、海外旅行中でも小型パソコンとマイクを持参すれば利用できます。娘は早速オーストラリアの友人たちにかけまくっているようです。これからはインターネット電話がさらに安く、使いやすいものになるのは間違いありません。楽しみですね。
(鐙)

母さんたちの忘年会

 いつも無明舎の棚卸やラルートの発送などを担当している「母さんたちの忘年会」が無明舎の好意で会費援助を戴き、山王の如斯亭で11日に11人が参加して開かれました。
 まずはビールで乾杯。大体子供たちがみな似た年代なので受験のこと、高校の事、先生の話題など盛り上がり、その賑やかなこと。皆に大受けしたのがグレープフルーツのチューハイでした。頼んだらグラスとともに現れたでっかいグレープフルーツの半分がグラスの数だけ登場。コレにはみんなひっくり返って笑ってしまいました。おしゃべりに夢中になっているうちに朴歯味噌が焦げ付き大騒ぎ。2次会は子供たちの同級生のお母さんがやっているカラオケに。会費1000円で飲み物,つまみを買って歌いまくり、騒ぎまくりの阿鼻叫喚地獄と化しました。皆なんとか理性を持って午前様にならずに帰りましたが、翌日のメールには「笑いすぎておなかが痛い」とありました。とにかくめちゃくちゃに楽しい一夜でした。来年もやります。よろしくお願いします、無明舎さん。
(金谷)

下駄箱の上のポトス

 今週は事務所内の植物を紹介します。名前は「ポトス」。観葉植物の基本中の基本です。いつも花を届けてくれる花屋さんからいただきました。ポトスは丈夫で育てやすい観葉植物とはいうものの、秋田の冬はこれからが本番。今まで通り、玄関の下駄箱の上に置いたままでは、ドアを開けるたびに吹きこんでくる寒風や雪が直接あたってしまいます。ここ数日、特に冷えこみが厳しいので、早めに暖かい場所を確保しなければ…、と気になってます。
(富)

No.117

『坊ちゃん』の時代(双葉文庫)
谷口ジロー・関川夏央

 ずっと読みたかった作品だが、マンガは活字の世界と違って本そのものを簡単に手にいれることができない。できないという言い方は正確ではない。門外漢には入手ルートがよくわからない。それが文庫で出た。すぐに買って読んだが、これがなかなかの「噛み応え」である。マンガにも優れた作品が多い、といった論議の際に本書は必ず例に出されるだけのことはある。たとえば、このマンガが活字本になったとしたら、どんな作品になるのだろうか。苦悩する漱石やその周辺の人物をここまで微に入り細に要り描くことが活字で可能だったろうか。そんなふうに考えるとマンガとしてのこの作品のすごさが浮かび上がってくる。原作の本になっている太田西崖の本を読みたくなってしまった。第2部になる「苦悩する森鴎外」を描いた『秋の舞姫』もでた。こちらはさらにドラマチックな展開で「こりゃマンガだ」とつぶやきたくもなるが、最近のミステリーや暴力シーンの多い小説に比べたらはるかにリアリティがある。全5巻のようなのではやく残りが出ないかなあ。

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