Vol.1203 2024年1月20日 | 週刊あんばい一本勝負 No.1195 |
エプロン・メガネ・深呼吸 | |
1月13日 服を買うということがほとんどなくなった。無印良品で冬用のダウンコートを買ったのが最後かな。でもエプロンだけは別。2着持っているが「もっとかっこいいのが欲しい」と思い続けている。人に見せるものではないから、思いっきり派手な色で服では絶対着ないようなカラフルなものが欲しいのだ。例えれば画家・中村正義の「顔」のようなド派手で上品なものがいいなあ。 1月14日 ちょっぴりだが年頭らしい穏やかで静かな時が流れている。年越しから「息継ぎ」を忘れてしまったような重苦しい切迫感の海に溺れそうになっていたのだが、ようやく水面に顔をだし大きく呼吸をしている状態だ。読む本もハズレナシが続いている。出久根達郎の「古本物」が当たりで、書店員の物語『新!店長がバカすぎて』も前作に劣らない面白さ。筒井康隆「文学部唯野教授」(岩波現代文庫)もスラスラ頭に入ってくる。私は急に頭がよくなったのだろうか。 1月15日 「お米」へのこだわりはほとんどない。米の味は「普通」であればそれ以上は望まない。人気キャラクターさながらの銘柄の奇抜なネーミングも嫌いだ。ここ数年は宮城県の著者が送ってくれるササニシキを食べている。その前は酒蔵・天の戸の杜氏・森谷康市さんが送ってくれる「あきたこまち」を20年近く食べ続けていた。森谷さんが亡くなって、「お米どうしよう」と思ったら、宮城の著者の方からお米をもらうようになった。だから、もう何十年もお米を買う生活はしていない。 1月16日 学生時代、下宿で目覚めると布団から出ていた顔のあたりが雪まみれ、なんていうことがあった。70を超えた今、肩掛けをして寝床に入っている。防寒具はずいぶん進歩して、これもアウトドアメーカーの努力なのだが、あのモンベルで「肩掛け」が売られていたのには驚いて、さっそく買った。でもカミさんのように「靴下をはいて寝る」ほど堕落はしていない。識者によると寝るときの靴下はあまりいい効果はないそうだ。それよりは足裏に汗をかかないレッグウォーマーがいいそうだ。雪の降りしきる野外でキャンプすることに一欠けらの恐怖もなかった若い頃がなつかしい。 1月17日 取次店から「仙台のTSUTAYA書店が閉めることになり、返品が出ました」という連絡。なんだか周囲からジワジワと首を絞められている閉塞感は年々強くなるばかり。ネットでは「弘前のジュンク堂の閉店」が報じられていた。秋田市内のジュンク堂やツタヤももう安全圏内ではいられない。次は自分たち、と覚悟を決めているのかもしれない。集団避難を余儀なくされた能登半島地震の被災者の人たちの気持ちが痛いほどわかる。 1月18日 近所にある三吉神社のぼんでん祭り。その祭りが終わった後、Sシェフが国際教養大の学生をつれて事務所で一休み。今年は日本の女子大生一人でパンを食べながらよもやま話。若い女性と話し機会はほとんどないので、目の前が少し明るくなった気分だ。夜はそのSシェフと二人で「みなみ」で新年会。体重は増えそうだが、気持ちはリフレッシュ。たまの外食もいいものだ。 1月19日 散歩のときは眼鏡をかけないで歩くのが習慣だ。白内障の手術を受けた後から、この習慣は定着した。先日、夜の飲み会に歩いて出かけ、店で飲んで、帰りも歩いて帰ってきた。家に着く直前で、出かける時から帰るまで、眼鏡をかけるのを忘れていたことに気が付いた。高校時代から眼鏡をかけてきて、こんなに長時間、眼鏡なしで過ごしたのは初めて……とおもったら、なんだか感慨ひとしおだった。 (あ)
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