Vol.128 03年2月15日 週刊あんばい一本勝負 No.125


柴田の新連載『小雪の「ISO取得」うるうる日記』がはじまります

 今年7月を目標に「ISO14001」の取得をするため、本格的な作業が始まりました。無明舎のような小さな、しかも地方出版社が、この国際標準の環境マネジメントシステムの認証を得るというのはかなり珍しいケースだと思います。その意味はゆるゆるとお知らせしていくつもりですが、取得のための作業責任者に柴田真紀子を起用しました。認証取得にはかなり高いハードルがあり若い女性が責任者になるというのは異例なのですが、理系の知識をもち、目の前のハードルが高ければ高いほど燃える柴田にはぴったりのプロジェクトとの判断で決めたものです。
 ほんとうに取得できるかどうかはまだ未知数ですが、とりあえずその認証取得プロセスを同時進行で柴田が『小雪の「ISO取得」うるうる日記』というタイトルでHP上のトピックスにルポ連載をはじめました。小雪というのは柴田の飼っていた猫の名前だそうです。知的でスリリング、笑いと涙の仕事日記になりそうなので、ご期待ください。
(あ)

内部環境監査員の認定書をもつ柴田真紀子

横手で京懐石を食べる

 「かまくら」で有名な横手市でユニークな催しがあり出席してきました。横手産の食材を使って京都の有名な料理人がレシピを作り、その指示のもと横手市内のプロ料理人やシェフ10名余が京懐石をつくり、公募で選ばれた30人の市民がそれを賞味するという会です。「私たちが精魂込めてつくった農産物がこんなにも美しく、美味しく、ヘルシーに変身する」ということを生産者や地元の消費者に示したい、という市側の思惑は結果的に大成功だったようです。わたしは今回の料理人である京都・梁山泊の橋本憲一さんと友人だったこともあり飛行場までの送迎ということで特別参加させてもらいました。美味しいお料理をいただくというのは幸せな気分になるための最も早道です。いつも食べている田舎料理がソースひとつでまるでちがったものになり、デザートに牛蒡や里芋を使う斬新さ、地鶏の中に納豆が入り、ほうれん草やリンゴの意外な調理法に、作る側も食べる側も驚きの連続でした。こんなことは2度とないのではと思ったのは、ふだん顔をあわせることのない市内の有名店の料理人たち(料亭、ホテル、すし屋、洋食)が一同に集まり一緒に料理を作ったことでしょう。こうした地域起こしであれば大賛成、毎年やってもらいたいものです。
(あ)

狭い調理場で10数人が料理作り

会場で横手市長と橋本憲一さん

甘いものだらけの舎内

 1月から編集に取り掛かっている『昭和写真帖』シリーズの手助けに、ライターの藤原優太郎さんが毎日無明舎に通っていますが、この藤原さんがなかなかの甘党で、手の届くところに常にまんじゅうなどがないとだめな人です。そのため会社内には団子、まんじゅう、ケーキなどの和洋菓子やパンがやたらと置かれています。外に出た人も気付くとお菓子を買ってきますし、藤原さん本人も家から持ってきます。

甘いものの山にニッコリする甘党トリオ
 さらに今週はバレンタインデーとかで、無明舎に出入りする印刷会社の女性などから手作りチョコをどっさりプレゼントされ、甘いもの攻勢に拍車がかかりました。おかげで甘いものが好きな富山や柴田はご相伴に預かることができ大喜びです。しかし、こんな仕事場の状況が続くとカロリー過多で、『昭和写真帖』シリーズ全5巻が完成するころは、体重増加に悩む舎員が現れるのではないかと思うこの頃です。
(鐙)

朝市案内人

 100メートルほどの通りに、150もの店がひしめき新鮮な食材が溢れる五城目町の朝市。500年を超える歴史もあり、町おこしの起爆剤になっています。町の力の入れようもかなりで、なんと朝市専従の町職員(観光案内人)がいるのです。
 その人が、この工藤昭子さん。朝市は毎月、2、5、7、0のつく日の午前7時ごろから正午ごろまで開かれています。工藤さんは、その時間だけ朝市通りに「勤務」して、朝市に訪れた観光客などに朝市や町の歴史などを紹介したり、品物のアドバイスなどをするのです。そんな朝市の光景を、ラルート25号(3月末発行)に掲載する予定です。
(七)

朝市専従の職員
工藤昭子さん

今週の花

 今週の花はチューリップ、ガーベラ、千日紅、スイートピー、フリージア。
 フリージアは南アフリカ原産で、その時の環境によって種子で増えたり、球根で増えたりするそうです。天候が悪い時は球根を増やして秋の涼しい時期に芽をだします。天候が良かった時は、自花受精で種子をつけ、弾けて地面に落ちた種が発芽します。アフリカの厳しい大地で生きのびるために、その時の環境に対応して子孫を残してきた花だそうです。和名は、浅葱水仙。名前の通り、水仙のように甘く強い香りがして「フリージアといえば黄色」というくらい黄色のイメージが定着しています。黄色の次によく目にするフリージアは白ですが、他にも紫、ピンク、赤、茶などもあります。オレンジのような赤は時々見かけますが、その他の花は滅多に見かけません。理由はウィルス病に弱いフリージアの中でも特に紫やピンクは病気に弱いため生産が難しいのだそうです。
(富)

No.125

だらしな日記(幻冬舎)
藤田香織

 500ページ近い2段組の本だが無事読了。ADD(注意欠陥障害)の疑いある32歳の書評家女性の日記だが、ミソは毎日記される体脂肪率と読書メモ。これに曳きづられて最後まで読んでしまう。ダイエット日記や読書ノートのような本は巷にあふれているが、この日記が面白いのは、まったく向上しないマイナス要素ばかりを強調したところ。掃除、洗濯、運動、社交は嫌いで食うこと、読むこと、寝るのが大好きでプチひきこもり、トイレにいっても手は洗わないばかりか下着もとりかえないし風呂にも入らない。ここまで書くと立派なプロの芸。意識して芸(売り原稿)にしようとしているわけではないだろうが、フリーランスの人たちは、なにが売れて(採用)なにが売れないか(不採用)、その境界線がよくわかっていなければ成り立たない商売なのだ。いくらさりげない日常といっても誰でもがブリジット・ジョーンズにはなれない。彼女はまた「ウェブマガジン幻冬舎」で21キロダイエットの記録や衝動的に買ってしまったマンション購入記を連載しているようだ。そちらもみてもたい。

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