Vol.130 03年3月1日 週刊あんばい一本勝負 No.127


「サンプリング」はけっこうタイヘン

 ISO14001取得のためのサンプリング調査が24日から28日にかけておこなわれました。事務所内の紙の使用状況や電気、ガソリンなどについて、どんなわずかなことでも記録し、集計をとり、それを元にこれからの目標値を決めるものです。事務所内のスイッチや電気機器類にはすべて書き込み用シールが貼られ、コピー一枚、コーヒー一杯にいたるまで、シールに書き込んでからでないと使用できません。

これだけの用紙が一人一日分!
 最初の2日間ほどは全員パニック状態でメモ用紙一枚捨てられないことを嘆いていましたが、3日目あたりから、ようやく慣れ外出時に車のメーターを読み取ったり、DM類の処理、メモ類の重さを量る手つきなど、だいぶサマになってきました。この調査は日を置いてまた実施されるのですが、2回目からはもう大丈夫。それにしても調査というのはタイヘンな作業です。理系で計算に強い柴田が担当者にならなければ確実に挫折していたとおもいます。なるほど文系の代表格である出版社で認証取得をするところが少ないはずです。
(あ)

駐車場所の変更について

 事務所に車で来られる方は、これまでほとんどが事務所前に駐車していましたが、このたびから事務所前に一切駐車できないことになりました。下記に新しい駐車場所の地図をいれましたので、今後車でおこしの方は、そちらに駐車くださるようお願い申し上げます。
(あ)

駐車場所

南米娘たちの送別会

 ブラジルから来たジュリアーナとアルゼンチンのファビアーナ、そしてパラグアイから来た男性のタカという3人の送別会を和食の店とグランビアで開きました。3人は日系3世で、秋田県費での留学制度で昨年の6月来日したのですが、3月中旬帰国するため無明舎出版として送別会を行ったのです。大石・ユメ・ジュリアーナ(ジュリー)は普段サンパウロに住んでいて、あんばいがブラジルに行ったときにお世話になる大石さんの娘さんです。その縁があり秋田では無明舎をあげてジュリーに楽しんでもらおうと、パーティーやただの酒飲会、田沢湖や男鹿でのアウトドアスポーツ、鍋っこ、ディズニ―ランド、雪祭りなどさまざまな場に誘い、一緒に遊びました。ファビーとタカはジュリーと同じ南米からの留学生で、3人はアパートも一緒。そんな縁でジュリーを誘った時はいつも2人も一緒でした。
 三人三様でかなり個性の違う3人でしたが、どこかに日本人の血が流れているためか、始めて会ったときからほとんど違和感なく一緒に酒を飲み、楽しむことができました。特に柴田はジュリーととても気が合い、週末はしょっちゅう一緒に遊んでいたような印象です。今年高校を卒業して東京の大学に行く私の娘もジュリーが大好きになり、よくアパートに遊びに行っていました。柴田と私の娘は、冬休みにサンパウロの家に遊びに行く約束をしているようです。送別会では国に帰ってからどんな仕事をしたいかという話が出ましたが、アルゼンチンを始め南米は慢性的な不況の真っ只中。仕事探しは大変なようです。ファビーとタカは日本で仕事をしたいと考えているようです。ちょっと暗い話も出ましたが、でも陽気な彼らのこと、南米から25人も一緒に来ていますので、帰りの飛行機の中はどんな騒ぎになるのか想像できます。
(鐙)

左から3人目がジュリー、あんばい、ファビー、タカの順

No.127

母のいる場所(文藝春秋)
久田恵

 朝日新聞の家庭欄に週1回連載中の久田恵の「仕上げの時 助走の時――シクスティーズの日々」を愛読している。新聞連載を心待ちするなんて久しくないことだが、それほど面白いのである。そこで本棚にツンドクしていた彼女の本を取り出して読んでみたわけである。サブタイトルに「シルバーヴィラ向山物語」とあるように10年の在宅介護の後、母と一緒に有料の老人ホームへ行くことを選択した著者の家族たちのドタバタと、一風変わった「高齢者専用長期滞在ホテル」型ホームの人間模様を交互に織り交ぜながら、丁寧に描いている。本に深みとユーモラスな雰囲気を与えている脇役は著者の父親とホームの社長である祐子先生の2人である。この二人の脇役が本書を単なる介護苦労話から、作品の質を高い場所へ引き上げる重要な役どころをになっている。介護物の本はほとんど素人の体験者が書くケースが多いのだが、プロが書くとこんなにも料理の仕方が違う、という見本のような本である。本は面白くてなんぼのも、ということを教えてくれる。

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